ゴム週間展望=安値模索か、外部要因からの売りに注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [10月20日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         10月14日〜10月17日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 26年03月限      311.3      313.6(15)    304.0(17)     304.1    -  7.9
 RSS先限      309.0      312.0(15)   306.0(17)    306.0     -  7.0
 TSR20    255.0      255.0(14)    255.0(15)    255.0        0.0
 上海1月限   14970   15055(14)   14810(17)     14810     -  525
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 149.80円  前週末比 2.90 円高
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【前週までのレビュー】円安を手掛かりに上昇したものの、ゴムのファンダメンタルズ
に大きな変化は見られず、円安が一服すれば調整安に転じる可能性が高いとみた。とし
た。
【売り優勢、円高や株安などの外部要因から3月限は300円割れの可能性】
 JPXゴムRSS3号の活発限月3月限は、急激な円安終了後は、売りが先行してい
る。活発限月の3月限は、10日に315.0円まで上昇後、ドル・円が徐々に円高に
振れたことを受けて下落を開始、17日には304円台に沈んだ。ゴム独自のファンダ
メンタルズも、需給緩和観測を背景に売りが出やすい状況が続く。ただし、材料として
の新鮮味には乏しく、相場を大きく動かす力には欠ける。円高や株安などの外部要因か
ら売りが誘発されれば、下値を模索する可能性もあるとみる。活発限月の3月限が再び
300円を割り込む可能性もあるだろう。
【タイオファーが65バーツ台に沈む】
 産地相場の軟調地合いが続いている。10月14日のタイ南部の天然ゴム主要積み出
し港のソンクラ渡しのオファー価格は、前日比1.24バーツ安の65.60が提示さ
れ、昨年1月以来の安値を付けた。翌15日には65.48バーツとさらに水準を引き
下げた。その後も65バーツ台での取引となっており、上昇の兆しが見えない。
 タイオファーは、9月9日にそれまで支持となっていた69バーツを下抜くと、ジリ
ジリと水準を引き下げている。産地タイは、増産期に入っている。需要面をみると、米
中貿易摩擦の影響から、両国の景気は鈍化すると見方が広がっている。足元では需給緩
和観測が強まっており、タイオファーはさらに水準を切り下げる展開が想定される。
【上海ゴムは下値模索】
 上海ゴムは、下値を試す展開になっている。中心限月の1月限は、大型連休前、最後
の取引となった9月30日に1万5020元まで下落したが、1万5180元まで戻し
て引けた。日足は下ヒゲの長い陰線となり、節目の1万5000元割れも回避したこと
から、戻り歩調となり、翌10日には、1万5480元まで水準を引き上げた。ただ、
同水準で戻り売りを浴びると、13日には節目の1万5000元を割り込み、16日に
は1万4735元まで下落した。1万5000元をしっかり割り込んだことで下値余地
が拡大した。短期的な戻りもあろうが、次は節目の1万4500元を意識した展開にな
るとみる。同水準も下抜くようなら、6月3日に付けた一代の安値1万3995元が視
野に入る。
【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の3月限は、軟調な展開となった。9月以降の値動きを確
認すると、9月5日に322.0円に水準を引き上げると、その後は上海安を背景に
徐々に水準を引き下げ、同月18日は309.3円で下落した。同月25日に313.
8円まで戻したが、同月29日からは産地安を手掛かりに売りが加速し、10月3日の
夜間取引には295.8円まで水準を引き下げた。だが、同月4日の自民党総裁選で高
市氏が当選すると、財政拡大路線への思惑が広がり、6日のドル・円が3日のNYの終
値に対し、1円60銭以上ものドル高・円安となる149円台前半で始まると、これを
受けて、JPXゴムRSS3も反発を開始、同日に305円台上昇すると、その後も円
安の進行と共に水準を引き上げ、10日は315.0円まで上値を伸ばした。だが円安
が一服となると、上値が重くなり、14日は305.0円まで下落。その後、313.
6円まで反発するも、戻りを叩かれ、17日には再び304円台に沈んでいる。
 一段安となれば、節目の300.0円が最初の関門。300円を割り込むようなら、
10月6日の安値295.8円や節目の290円を意識した展開になるとみる。一方、
反発となれば、10月10日の高値315.0円に注目したい。同水準を上抜くと、節
目の320円や8月26日の高値322.0円が視野に入る。
【今週の注目ポイント】
 産地相場に注目したい。タイオファーは、ジリ安調の展開となっている。需給緩和観
測が広がっており、タイオファーが一段安となれば、JPXゴムRSS3の下げ幅も拡
大する可能性がある。産地価格の動向が、今週の相場を左右する重要な手掛かりとなり
そうだ。
【相場予想レンジ】
 10月20〜24日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は285〜32
0円前後。テクニカルの支持線295円(節目)、抵抗線は315.0円(10月10
日高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
20日 ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    中国住宅価格指数 2025年9月(国家統計局)
    中国国内総生産 2025年7-9月期(国家統計局)
    中国小売売上高 2025年9月(国家統計局)
    中国鉱工業生産 2025年9月(国家統計局)
    独生産者物価指数 2025年9月(連邦統計庁)
    ユーロ圏国際収支 2025年8月(ECB)
21日 加消費者物価指数 2025年9月(カナダ統計局)
22日 貿易収支 2025年9月速報(財務省)
    英消費者物価指数 2025年9月(国立統計局)
23日 米新規失業保険申請件数(労働省)
    米中古住宅販売統計 2025年9月(全米不動産協会)
24日 消費者物価指数 2025年9月(総務省)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    英小売売上高 2025年9月(国立統計局)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年10月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年10月速報(Markit)
    米消費者物価指数 2025年9月(労働省)
    米新築住宅販売 2025年9月(商務省)
    米消費者信頼感指数 2025年10月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。

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