株価指数先物【寄り前】 高市首相誕生に期待したロング優勢の展開

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48290 +740 (+1.55%)
TOPIX先物 3209.5 +42.0 (+1.32%)
シカゴ日経平均先物 48245 +695
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。地銀のフィフス・サード・バンコープやトゥルイスト・ファイナンシャルなどが市場予想を上回る決算を発表。融資を巡る懸念から前日に急落したウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションやザイオンズ・バンコープの問題は地銀業界の一部で起こった局地的なものとして、信用リスクへの過度な警戒感が後退した。米中貿易摩擦の再燃が警戒されているが、トランプ米大統領は中国との通商交渉に関して楽観的な見方を示し、中国の習近平国家主席との会談は予定通り行われるとの発言が伝わり、米中対立激化への懸念が和らいだ。

 S&P500業種別指数は自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、公益事業、素材、小売が小安い。NYダウ構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス、アップル、ビザ、IBM、シスコシステムズが買われた。半面、キャタピラー、セールスフォース、ゴールドマン・サックス・グループ、アマゾン・ドット・コムが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比695円高の4万8245円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比360円安の4万7190円で始まり、4万7120円まで売られた。その後は押し目待ち狙いのロングとみられる動きにより早い段階でプラス圏を回復し、4万7450円~4万7630円辺りで保ち合いを継続。レンジを上抜けるとロングの勢いが強まり、米国市場の取引開始後には4万8290円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は4万7890円~4万8290円でやや荒い値動きとなり、4万8290円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは米国での信用リスクの高まりを警戒した流れの中でショートが先行し、開始直後に一時4万7120円まで売られた。ただし、その後の急速な切り返しによって、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7670円)を上回って終えている。同バンドと+2σ(4万9180円)とのレンジが意識されやすく、10日につけた高値の4万8940円が射程に入りそうである。

 まずは17日高値の4万8540円がターゲットになりやすく、チャート上の陰線を完全に埋めてくるようだと、ショートカバーを誘う流れが強まる可能性がある。自民党と日本維新の会はきょうの午後に行われる政策協議がまとまれば、あす召集の臨時国会の首相指名選挙で、自民党の高市総裁が第104代首相に選出される。政策期待の高まりを受けた高市トレードの再燃がロングに向かわせよう。

 政策協議の行方を見極めたいとする持ち高調整の動きも考えられるが、短期的なショートは避けておきたいところだ。4万8000円に接近する局面があれば、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万8000円から4万9000円のレンジを想定する。+2σを明確に上回ってくるようだと、上へのバイアスが強まりやすく、5万円が意識されてきそうだ。

 17日の米VIX指数は20.78(16日は25.31)に低下した。一時28.99まで切り上がり、4月下旬以来の水準まで急伸する場面もあったが、その後は下げに転じていた。ただし、200日移動平均線(19.35)が支持線として意識されており、リスク回避姿勢がくすぶることになりそうである。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で15.01倍(16日は15.08倍)に低下した。ただし、+1σ(14.87倍)と+2σ(15.19倍)とのレンジを継続している。高市トレードが再燃するとみられるなかで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が見込まれるため、+2σを意識したNTロングに振れやすいだろう。

株探ニュース

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