石油週間展望=61.8%戻し達成、目先は修正安かさらに戻すか

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [10月27日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)    10 月 20 日〜 10 月 24 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   80,000    80,000(20)    80,000(20)   80,000       ±0
灯  油  先限   84,000    84,000(20)    84,000(20)   84,000       ±0
原  油 3月限   56,350    61,360(24)    56,000(20)   60,830      +4,420
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                                       10 月 20 日〜 10 月 23 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油  12 月限    57.32    62.20(23)   55.96(20)  61.79      +4.64
ブレント原油  12 月限    61.25    66.36(23)   60.07(20)  65.99      +4.70
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24日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 152.95 前週末比 3.15円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油12月限は一代安値の54.16ドルから一代高
値の71.47ドルまでの上げ幅の78.6%押し(57.86ドル辺り)をすでに割
り込んでいることで、今後は一代安値が売り方の下値目標となって来るか。ただ目先の
売られ過ぎ感も強まりつつあることや、11月限は納会に向けて利食いの買い戻しが先
行しそうなため、12月限もいったんは相応の戻りも予想されるところ。いったん底入
れする時間帯としては、21日の新月辺りがメドとなりそうだとした。

【NY原油12月限は61.8%戻し達成】
 ニューヨーク原油12月限は相応の戻りどころか急反発する展開。新月の一営業日前
の20日に55.96ドルの安値を付けた後、23日には62.20ドルまで急反騰し
ている。既に9月26日の高値65.77ドルから前述の安値までの下げ幅に対する
61.8%戻し(62.02ドル辺り)を達成していることで、このまま続騰して
78.6%戻し(63.67ドル辺り)を一気に達成してしまうのか、あるい目先は修
正安含みとなるのかが注目されるところ。本稿執筆時点の24日午後には61ドル台半
ばで推移しているが、仮に修正安となった場合、30日の上弦で押し目底を付けて、来
月5日の満月に向けた再上昇をイメージしている。

 材料的には、ハンガリーで開催する予定とされていた米露首脳会談が中止となり、米
国が対露制裁をさらに強化したことで、同国からの供給難が再び意識された。もともと
同国は度重なるウクライナの石油施設攻撃で精製能力の4割を失っているとされてお
り、ガソリン、ディーゼルなどの石油製品の輸出を既に自ら停止しているが、米国がロ
スネフチとルクオイルというロシアの二大石油企業に制裁を科すことを発表したこと
で、原油も含めてインド、中国を中心に買い手控え傾向がさらに強まるのは必至で、同
国からの供給がさらに細ることが予想されている。
 ウクライナは英国製の長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」をすでに実戦使用し
ているが、米国製の「トマホーク」の供与については、17日の米ウクライナ首脳会談
で、トランプ米大統領が慎重な姿勢を崩さなかった。またプーチン露大統領は「トマホ
ーク」がロシアを攻撃した場合、対応は非常に深刻なものとなるとけん制する発言を行
っている。戦争が長引けば長引くほど、ロシアの石油産業は壊滅的な事態に陥りそう
だ。
 なお、目先は30日に予定されている米中首脳会談にも注目したい。
 他の産油国側のニュースとしては、ロシアの二大石油企業に対する制裁を受けて、ク
ウェートのターリク・ローミー石油相は23日、石油輸出国機構(OPEC)が必要な
ら減産規模を縮小する用意があると表明した。ただ現時点ではアナウンス的なものに過
ぎず具体的な数量は示されていない。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び過去最高値を試す展開。
 ドルインデックスは戻り基調。98ポイント台を割り込まずに戻して、99ポイント
台に乗せてきた。

【欧米のロシア制裁強化で中国のロシア産の買い手控え加速】
 米国のロシアの二大石油企業制裁により、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)、中
国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)、振華石油の4社がロシアと
の取引を手控える考えであることが報じられている。ただ、中国の海路によるロシア産
原油輸入は日量約140万バレル、パイプライン経由は同90万バレルとなっており、
前者は停止するが、後者は継続する可能性が高いとみられている。
 これとは別に欧州連合(EU)もロシアと活発に取引を行っているとみられる中国の
山東裕龍石化有限公司、遼陽石化分公司、ペトロチャイナの貿易子会社を制裁対象に加
えた。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である3月限は5営業日連続の陽線引け。ボリンジャーバンドの—
2シグマ(5万6170円辺り)割れから24日には高値で1シグマ(6万1420円
辺り)に迫った。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油12月限は3営業日連続で陽線引け。23日には60ドルの節目に
近い21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中心線(60.22ドル辺り)を
大きく上回り、62ドルの節目を試した。

 ブレント原油12月限もほぼ同様の展開。3営業日連続で陽線引けとなり、ボリンジ
ャーバンドの中心線(64.33ドル辺り)や65ドルの節目を一気に上抜いた。

<当面の予定>
26日【他 】欧州標準時間入り

27日【発会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
             2026年5月限(東京商品))
   【経済】中国工業利益 2025年9月(国家統計局)
   【経済】独景況感指数 2025年10月(ifo)
   【経済】米耐久財受注 2025年9月速報値(商務省)

28日【経済】米住宅価格指数 2025年8月(連邦住宅金融局)
   【経済】米ケース・シラー住宅価格指数 2025年8月(S&P)
   【経済】米消費者信頼感指数 2025年10月(カンファレンスボード)
   【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
   【工業】米週間石油統計(API)

29日【経済】金融政策決定会合(日本銀行)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】英マネーサプライ 2025年9月(BOE)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米卸売在庫 2025年9月速報値(商務省)
   【経済】米中古住宅販売仮契約指数 2025年9月(全米不動産協会)
   【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
   【経済】米FOMC声明文公表(FRB)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

30日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 10月19日-10月25日(財務省)
   【経済】貿易収支 2025年9月確報(財務省)
   【経済】総裁記者会見(日本銀行)
   【経済】金融市場調節方針公表(日本銀行)
   【経済】金融政策決定会合(日本銀行)
   【経済】ユーロ圏国内総生産 2025年7-9月期速報(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏雇用統計 2025年9月(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏理事会結果公表(ECB)
   【経済】独雇用統計 2025年10月(連邦雇用庁)
   【経済】独国内総生産 2025年7-9月期速報(連邦統計庁)
   【経済】独消費者物価指数 2025年10月速報(連邦統計庁)
   【経済】仏国内総生産 2025年7-9月期速報値(INSEE)
   【経済】米国内総生産 2025年7-9月期速報値(商務省)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)

31日【経済】労働力調査(失業率) 2025年9月(総務省)
   【経済】一般職業紹介状況(有効求人倍率) 2025年9月(厚生労働省)
   【経済】鉱工業生産指数 2025年9月速報(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2025年9月速報(経済産業省)
   【経済】自動車生産・輸出実績 2025年8月(JAMA)
   【決済】プラッツドバイ原油 2025年10月限(東京商品)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2025年10月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国非製造業購買担当者景況指数 2025年10月(中国物流購買連合会)
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2025年10月速報(EUROSTAT)
   【経済】仏消費者物価指数 2025年10月速報(INSEE)
   【経済】仏生産者・輸入物価指数 2025年9月(INSEE)
   【納会】英ブレント原油 2025年12月限(ICE EUROPE)
   【経済】米個人所得・支出 2025年9月(商務省)
   【経済】米雇用コスト指数 2025年7-9月期(労働省)
   【経済】米シカゴ購買部協会景気指数 2025年10月(シカゴ購買部協会)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
   【納会】米改質ガソリン・ヒーティングオイル  2025年11月限(NYMEX)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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