【これからの見通し】日米金融政策会合を通過、ドル円153円台、植田総裁会見とECB理事会を確認へ

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】日米金融政策会合を通過、ドル円153円台、植田総裁会見とECB理事会を確認へ

 日米金融政策会合を通過して、ドル円は153円台に再び上昇した。米FOMCでは市場予想通り政策金利が0.25%引き下げられた。そして、パウエルFRB議長会見では「12月の利下げは決して確定した結論には程遠い」との見方が示され、市場はドル買いに傾いた。

 今日の日銀決定会合では、政策金利は7対2での据え置き決定だった。これまで通りの利上げ票数で、市場の早期利上げ期待は後退した。さらに「物価リスクは概ね均衡しているものの経済リスクは下振れ傾向にある」と慎重な見方も示された。市場は円安に傾いた。

 上記2会合の結果、ドル円は153円を付ける動きとなっている。ただ、このところの値動きをみると153円台では一段の上昇を阻止されている。この後の植田日銀総裁会見次第では、再び反落、53円台半ばを上抜けるか、いずれかの分かれ道となりそうだ。

 市場関係者の間では、日経平均が5万円を上回るような強気相場の間に、利上げをしないでどうする?といった意見もあるようだ。植田総裁も機を逸しないように次回利上げ時期などのメドについて語ってほしいものだ。これまでは春闘での賃上げ見通しが固まりつつある時期、すなわち1月会合で利上げする動きがみられた。何か示唆はあるのかどうか、注目したい。

 また、世界情勢では、トランプ米大統領が中国の習主席と会談を行った。習氏との会談は「素晴らしい」ものだった、多くの重要な点について結論に達した、中国がレアアース輸出規制強化を1年間延期する、大量の大豆を直ちに購入することで合意などと報じられている。トランプ氏は10点満点で12点の出来栄えと自画自賛。無難に通過したことで市場はひと安心となっている。ただ、株式市場の上昇反応は限定的となっており、そろそろ買いポジションが蓄積している兆候もみられるようだ。

 そして、この後の海外市場ではECB理事会の結果が発表される。市場では政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。ECBはインフレ目標に到達したとの認識を示しており、しばらくは動かない見込み。ラガルドECB総裁は、今週のブラックアウト期間中に食品インフレの上昇に警戒感を示す異例のコメントを発していた。きょうの会見ではどうか、注目したい。

 その他の経済指標発表は、フランス実質GDP(速報値)(2025年 第3四半期)、ドイツ雇用統計(10月)、ドイツ実質GDP(速報値)(2025年 第3四半期)、ユーロ圏消費者信頼感指数(確報値)(10月)、ユーロ圏景況感指数(10月)、ユーロ圏実質GDP(速報値)、(2025年 第3四半期)、ユーロ圏雇用統計(9月)、ドイツ消費者物価指数(速報)(10月)、南アフリカ生産者物価指数(PPI)(9月)、メキシコ実質GDP(速報値)(2025年 第3四半期)などが予定されている。

 発言イベント関連では、植田総裁とラガルド総裁のほかに、ボウマンFRB副議長が会議に出席、テュディン・スイス中銀理事が講演、ローガン・ダラス連銀総裁が会議開会挨拶を行う。米主要企業決算は、アップル、アマゾンドットコム、コインベース、イーライリリー、メルクなどが注目される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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