石油週間展望=押し目底入れで反発か、OPECプラス会合には注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [11月3日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)    10 月 27 日〜 10 月 31 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   80,000    80,000(27)    80,000(27)   80,000       ±0
灯  油  先限   84,000    86,000(31)    84,000(27)   86,000     +2,000
原  油 3月限   60,960    61,320(27)    59,380(29)   60,500        -330
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                                       10 月 27 日〜 10 月 30 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油  12 月限   61.82    62.17(27)   59.64(30)  60.57      -0.93
ブレント原油   1 月限   65.35    65.89(27)   63.38(29)  64.37      -0.83
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31日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 154.16 前週末比 1.21円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油12月限は23日に62.20ドルまで急反騰し
て、9月26日の高値65.77ドルから10月20日の安値55.96ドルまでの下
げ幅に対する61.8%戻し(62.02ドル辺り)を達成した。目先はこのまま続騰
して78.6%戻し(63.67ドル辺り)を一気に達成してしまうのか、あるいは修
正安含みとなるのかが注目されるところ。仮に修正安となった場合、30日の上弦で押
し目底を付けて、来月5日の満月に向けた再上昇をイメージしているとした。

【NY原油12月限は38.2%戻しまで修正安】
 ニューヨーク原油12月限は修正安含みとなった。ここまでの安値は30日に付けた
59.64ドル。前述の下げ幅の38.2%戻し(59.71ドル辺り)水準を試し
た。そのあと本稿執筆時の31日午後には60ドル台前半まで戻しており、このまま戻
せば、61.8%戻しから38.2%戻しまでの修正安後の反発局面という非常に分か
りやすいものとなる。日柄的にも前回の当欄で指摘した30日の上弦に押し目底を付け
て、来月の5日の満月に向けて上昇するというイメージに合致したもの。今回の上昇波
がエリオット波動の第3波であれば、少なくとも24日の高値62.59ドルを上抜く
ような上昇が期待できる。

 材料的には、注目された30日の米中首脳会談については、米国のフェンタニル関税
の10%引き下げや、中国のレアアースの新たな輸出規制を1年間先送りするなど、お
互いに譲歩する姿勢が見られたものの、ウクライナ戦争やロシア産原油について、突っ
込んだ協議がなされなかったこともあり、原油相場にあまりインパクトの大きなものと
はならなかった。ただ、トランプ米大統領は中国が米アラスカ州の石油や天然ガスを購
入する可能性について言及しており、今後これに関して続報があれば支援材料となる可
能性がある。
 また11月2日に石油輸出国機構(OPEC)プラスの主要8カ国によるオンライン
会合が開催されるため注目されるが、生産枠を大幅に引き上げるとの報道は見られず無
風で終わる可能性も考えておきたい。前回は事前に弱気を煽られていたため、実際の発
表後は逆に買われる展開となった。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び過去最高値を試す展開。4万
7000ドル台に乗せてきた。日米首脳会談に合わせる形で、日米ともに過去最高値を
更新する展開となっている。
 ドルインデックスは戻り高値を更新する形で、99ポイント台半ばまで戻している。

【国営インド石油、12月渡しの東シベリア産原油購入】
 米国の圧力により、インドの多くの石油企業がロシア産原油の輸入を停止している
が、何と最大手の国営インド石油(IOC)が米国の制裁対象でない企業から12月到
着分のロシア産原油を5カーゴ購入したことが報じられている。関係者によると、12
月にインド東部渡しで、東シベリアのエスポ原油350万バレルをドバイ原油フラット
の価格で成約したという。
 なお、IOCの財務責任者は、原油の数量が制裁基準を満たしていれば今後もロシア
産原油の購入を継続すると指摘している。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である3月限は6万円の節目を挟んで、21日移動平均線でもある
ボリンジャーバンドの中心線(5万9430円辺り)と1シグマ(6万0860円辺
り)の間のもみ合いとなっている。直近の31日には1シグマが上値抵抗となって上ひ
げを付けた。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油12月限は下降中のボリンジャーバンドの1シグマ(61.36ド
ル辺り)が上値抵抗となり反落。ただ60ドル台割れの中心線(59.66ドル辺り)
が下値支持となっている。

 ブレント原油1月限もほぼ同様の展開。下降中のボリンジャーバンドの1シグマ
(65.02ドル辺り)が上値抵抗となり反落。ただ中心線(63.39ドル辺り)が
下値支持となっている。

<当面の予定>
 2日【他 】北米標準時間入り

 3日【休日】文化の日
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2025年10月(RatingDog)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年10月確報(Markit)
   【経済】米建設支出 2025年9月(商務省)
   【経済】米製造業景況指数 2025年10月(ISM)
   【経済】米新車販売台数 2025年10月(Autodata)

 4日【経済】新車登録台数 2025年10月(自販連)
   【経済】軽自動車新車販売速報 2025年10月(全軽自協)
   【経済】米貿易収支 2025年9月(商務省)
   【経済】米耐久財受注 2025年9月確報値(商務省)
   【経済】米製造業新規受注 2025年9月(商務省)
   【工業】米週間石油統計(API)

 5日【経済】金融政策決定会合議事要旨公表 9月18-19日分(日本銀行)
   【経済】中国サービス業購買担当者景況指数 2025年10月(RatingDog)
   【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年10月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2025年10月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏生産者物価指数 2025年9月(EUROSTAT)
   【経済】独製造業受注 2025年9月(経済技術省)
   【経済】仏鉱工業生産指数 2025年9月(INSEE)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米雇用統計 2025年10月(ADP)
   【経済】米非製造業景況指数 2025年10月(ISM)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

 6日【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】ユーロ圏小売売上高 2025年9月(EUROSTAT)
   【経済】独鉱工業生産指数 2025年9月(経済技術省)
   【経済】英政策金利公表(BOE)
   【経済】英金融政策委員会議事録 11月5日分(BOE)
   【経済】英金融政策報告(BOE)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米卸売在庫 2025年9月確報値(商務省)

 7日【経済】全世帯家計調査・消費支出 2025年9月(総務省)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 10月26日-11月1日(財務省)
   【経済】中国貿易収支 2025年10月(税関総署)
   【経済】独貿易収支 2025年9月(連邦統計庁)
   【経済】仏国際収支 2025年9月(フランス銀行)
   【経済】仏貿易収支 2025年9月(INSEE)
   【経済】米雇用統計 2025年10月(労働省)
   【経済】米消費者信頼感指数 2025年11月速報値(ミシガン大)
   【経済】米消費者信用残高 2025年9月(FRB)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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