ゴム週間展望=レンジ継続も期近主導の下振れを警戒

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [11月10日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         11月3日〜11月7日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 26年03月限      313.2     315.6(4)     310.1(5)      313.0    +  2.0
 RSS先限      313.0      314.0(6)    313.0(4)     314.0     +  1.0
 TSR20    260.0      260.0(4)     260.0(4)     260.0        0.0
 上海1月限   15110    15135(4)    14870(4)      15025     -   80
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 153.49円  前週末比 0.67 円高
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【前週までのレビュー】ゴム独自のファンダメンタルズは弱気に振れている。ただ、売
り材料にも新鮮味を欠くことから、目先、305〜315円前後でのレンジ相場が続く
とみた。
【期近主導の下落に注意】
 JPXゴムRSS3号の活発限月4月限は、310〜316円前後でのレンジ相場と
なっている。ゴム独自のファンダメンタルズに大きな変化はないことから、様子見気分
が広がっているようだ。ただ、依然として需給緩和観測が強い。期近11月限は、5
日、6日の2営業日で12.0円も下落する場面があった。6日は出来高を伴っての下
落であった。納会を今月25日に控えて、ポジションを落とす動きもあろうが、先安観
からの売りも出たとみる。期近主導の下落には注意したい。目先は310〜316円前
後を中心としたレンジ内での推移が想定される。ただし、期近が崩れた場合は、レンジ
を下方にブレイクする可能性もある。
【産地価格は再び安値低迷か】
 産地タイでの降雨を背景としたタイオファーの上昇が落ち着いてきた。先月中旬に一
時65バーツ台に下落したタイオファーは、下旬になると降雨によるタッピング(樹液
採取作業)障害懸念から買いが先行し、67バーツ台に水準を引き上げた。11月に入
ると、66バーツ台の取引が続いていたが、6日のタイ南部の天然ゴム主要積み出し港
のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比0.55バーツ安の65.55バーツが
提示され、再び今年の最安値圏が提示されている。天然ゴム需給は、産地生産が順調に
進む見通しとなっている。一方、米中二大天然ゴム消費国は、景気減速の兆候がある。
産地価格が本格的に上昇を開始するには時間が必要とみる。
【上海ゴムは1万5500元付近の攻防に注目】
 上海ゴムは、売りが先行した。中心限月の1月限は、9月5日に1万6370元まで
上昇後、ジリ安調の展開となり、10月20日には1万4675元まで水準を引き下げ
た。だが、同水準で支持されると反発局面を迎え、10月21日に1万5000元台を
回復すると、10月29日に一時1万5670元まで上昇した。だが、終値ベースで1
万5500元を維持できず、10月30日からは5営業日連続で陰線を形成し、11月
5日には1万4740元まで下落した。目先、10月20日の安値1万4675元と5
日の安値1万4740元でダブルボトムが形成されるか注目したい。中国景気の弱さや
産地安など弱材料はあるが、いずれも材料としての新鮮味には欠け、突っ込んで売るよ
うな状況ではない。目先、自律反発となる可能性がある。
【東京ゴム活発限月の4月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、310〜316円前後での狭いレンジ相場と
なった。10月下旬からの値動きを確認すると、産地安を背景に、10月20日に30
4.2円まで下落後、産地相場が底堅い動きとなったことから、買いが先行。10月3
0日には316.0円まで上昇した。その後は、310〜316円前後でのもみ合いと
なっている。現状、強いトレンドは発生していないとみる。
 買いが先行すれば、続伸となれば、10月30日の高値316.0円が最初の関門。
同水準を上抜くと、節目の320円や9月4日の高値326.0円が視野に入る。一
方、売りが優勢となれば、10月29日の安値308.5円がポイントになりそうだ。
安値更新となれば、節目の305円や300円を意識した展開になる。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、産地相場に注目したい。タイオファーが、短期的には底入れした可能性が
ある。ただ、ファンダメンタルズに大きな変化みられない。タイオファーの動向を注意
深く見守りたい。
【相場予想レンジ】
 11月10〜14日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は290〜32
5円前後。テクニカルの支持線308.5円(10月29日安値)、抵抗線は316.
0円(10月30日高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
10日 景気動向指数 2025年9月速報(内閣府)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
11日 ●フランス(第一次大戦休戦記念日)
    国際収支(経常収支) 2025年9月(財務省)
    英雇用統計 2025年10月(国立統計局)
    独景況感指数 2025年11月(ZEW)
12日 独消費者物価指数 2025年10月確報(連邦統計庁)
13日 企業物価指数 2025年10月(日本銀行)
    英国内総生産 速報値 2025年7-9月期(国立統計局)
    英貿易収支 2025年9月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2025年9月(国立統計局)
    ユーロ圏鉱工業生産 2025年9月(EUROSTAT)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米消費者物価指数 2025年10月(労働省)
    米財政収支 2025年10月(財務省)
14日 中国住宅価格指数 2025年10月(国家統計局)
    中国小売売上高 2025年10月(国家統計局)
    中国鉱工業生産 2025年10月(国家統計局)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    ユーロ圏域内総生産 2025年7-9月期改定(EUROSTAT)
    ユーロ圏貿易収支 2025年9月(EUROSTAT)
    米小売売上高 2025年10月(商務省)
    米生産者物価指数 2025年10月(労働省)
    米企業在庫 2025年9月(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。

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