今週の【早わかり株式市況】反落、エヌビディア好決算で急伸も一転リスクオフ

配信元:株探
著者:Kabutan
■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週ぶり反落、5万円維持できず
 2.日中関係悪化、インバウンド関連株に売り
 3.エヌビディア好決算、AI・半導体株が急伸
 4.買い戻し加速で全体急浮上、円安も追い風
 5.一転リスクオフで急落、AIバブル懸念根強く

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1750円(3.48%)安の4万8625円と、2週ぶりに下落した。

 今週もボラティリティの高い地合いだった。AIバブル懸念を背景に週明けから冴えない展開が続いたが、米エヌビディアの決算を受けて一気にリスクオンへ転換。ただ、それも束の間、週末に相場は再び急落した。

 17日(月)の日経平均は小幅安。前週末の欧米株市場の軟調地合いを引き継ぎ、買い手控え感が広がった。台湾問題を巡る日中関係の悪化を受け、インバウンド関連など消費セクターの一角が売られた。18日(火)は大幅安。米利下げ観測の後退を背景に利食い急ぎの動きが速まった。AI・半導体関連株が大きく売られたほか、前日に続きインバウンド関連株への売り圧力が目立った。19日(水)も下落。前日終値を挟んで方向感なくもみ合ったが、上値の重さが意識されて結局マイナス圏で引けた。注目の米エヌビディアの決算発表を控え、様子見ムードは強かった。20日(木)は急反発。直近までの冴えない相場展開が一変し、日経平均は一時2000円を超える上昇となった。この日早朝にエヌビディアの決算発表が行われた。その内容は市場予想を上回る好調なもので、売上高、純利益とも四半期ベースで過去最高を更新。今後の業績予想についても強気の見通しが示された。これを受け、東京市場ではAI・半導体株を中心に買い戻しの動きが加速。為替相場が円安に振れたことも追い風となった。21日(金)は急反落。ここ最近広がりをみせていたAI投資ブームの過熱懸念はエヌビディアの好決算で打ち消されたかに思われたが、この懸念は根強く、前日の米株市場は下落した。これを受け、東京市場も一転してリスク回避ムードとなった。結局、日経平均は5万円台を維持できず、この週の取引を終えた。

■来週のポイント
 来週はAI・半導体関連への買い戻しの動きが起こるかがポイントだ。ただ、エヌビディアの好決算を受けてもなお過熱感を警戒する声は強く、日経平均はしばらく調整局面と見る向きが多い。日本株市場は割安な内需系銘柄に見直し買いが入っており、TOPIXが相対的に強い展開となりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では28日朝に発表される10月の完全失業率と有効求人倍率および鉱工業生産が注目される。海外では25日に発表される米国9月の小売売上高と生産者物価指数、米国11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、26日に発表される米国10月新築住宅販売件数、30日に発表される中国11月製造業PMIに注視が必要だろう。

■日々の動き(11月17日~11月21日)

【↓】  11月17日(月)――  続落、日中関係の悪化警戒で消費関連が安い
 日経平均 50323.91(  -52.62)  売買高23億8547万株 売買代金 6兆1873億円

【↓】  11月18日(火)――  急落、主力株中心に売られ5万円割れ
 日経平均 48702.98( -1620.93)  売買高24億3356万株 売買代金 6兆4627億円

【↓】  11月19日(水)――  4日続落、エヌビディア決算待ちで買い控え
 日経平均 48537.70( -165.28)  売買高24億6906万株 売買代金 6兆5429億円

【↑】  11月20日(木)――  急反発、エヌビディア好決算で一時5万円乗せ
 日経平均 49823.94( +1286.24)  売買高24億2250万株 売買代金 6兆7573億円

【↓】  11月21日(金)――  急反落、米株安を受けハイテク株中心に売り優勢
 日経平均 48625.88( -1198.06)  売買高33億7217万株 売買代金 8兆9565億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、22業種が値下がり
 (2)値下がり率トップはフジクラ <5803> など非鉄。景気敏感株は三菱重 <7011> など機械、商船三井 <9104> など海運も安い
 (3)SBI <8473> など証券、東京海上 <8766> など保険、楽天銀 <5838> など銀行といった金融株も下落
 (4)ニデック <6594> など電機、日産自 <7201> など自動車、HOYA <7741> など精密機器といった輸出株も売られた
 (5)内需株はまちまち。SBG <9984> など情報通信、サイバー <4751> などサービスは安いが、大林組 <1802> など建設は値上がり率首位に買われた
 (6)住友ファーマ <4506> など医薬品、小田急 <9007> など陸運、Lドリンク <2585> など食料品といったディフェンシブ株はしっかり

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(126) 中国 ── 日本渡航自粛受けた警戒売りには一服感
 2(2) 人工知能 
 3(3) レアアース 
 4(1) 半導体 
 5(4) 防衛 ── 台湾有事にらみ再びマーケットの関心高まる方向に
 ※カッコは前週の順位

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