【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における10月 7日時点の大口投機家の売り越しは469万0075枚となり、前週の458万 3143枚から拡大した。取組高合計は5036万6427枚となり、前週から9万 5117枚(0.2%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.2%増、債券 合計が0.3%減、為替合計が3.3%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 2.3%増、エネルギー合計は0.1%増、金属合計は1.6%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規売りが新規買いを 上回って売り越しを拡大、債券で手じまい売りが買い戻しを上回って売り越しを拡大し た。為替は新規売りが新規買いを上回って売り越し(ドル買い)に転じた。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 10月6日の週は、米政府機関の一部閉鎖が2週目に突入するなか、ガザ停戦合意が 伝えられた。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が4万6307枚買い越し(前週6万1465 枚買い越し)、ユーロは11万8365枚買い越し(同11万7369枚買い越し)、 英ポンドは4476枚売り越し(同8894枚売り越し)となった。ユーロは新規買い が新規売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が産油国の生産枠拡大が限定的となり、買い戻されたが、ガザ停 戦合意やトランプ米大統領の対中関税発言を受けて戻りを売られた。金は米政府機関閉 鎖が支援要因になったが、ガザ停戦合意を受けて上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が7万4309枚買い越し(前週 10万3300枚買い越し)に縮小した。新規売りが新規買いを上回った。ニューヨー ク金は23万1956枚買い越し(同25万2908枚買い越し)、ニューヨーク・プ ラチナは1万8341枚買い越し(同2万1765枚買い越し)に縮小した。金は手じ まい売り、新規売りが出て、プラチナは新規売りが新規買いを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが9万2353枚売り越し(前週8万1307 枚売り越し)に拡大、大豆は3万9874枚買い越し(同8333枚売り越し)に転じ た。コーンは手じまい売りが買い戻しを上回り、大豆は新規買い、買い戻しが入った。 10月6日の週のコーンは、米産地の収穫進行や米中関係の悪化を受けて売り優勢とな った。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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