プラチナ週間展望=もみ合い、米FOMCの利下げを織り込む

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [12月8日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2026 年 10 月限  12 月 1 日〜 12 月 5 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          21,370    21,653 ( 1)   21,190 ( 5)     21,366          -82
  銀           265.0     295.0 ( 3)    265.0 ( 1)      285.0        +27.0
 プラチナ       7,726     8,065 ( 1)    7,582 ( 5)      7,676          -99
 パラジウム     7,400     7,400 ( 1)    7,200 ( 2)      7,300         +200
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         5  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 2) 4,243.0     -11.9   | ドル・円    154.52      1.82 円高
  銀       ( 3) 5,905.3    +189.0   | 日経平均  50,491.87       +237.96
 プラチナ   ( 1) 1,660.5     -24.5   | NY原油 ( 1)  60.08         +1.53
 パラジウム ( 3) 1,502.20     -4.10  |* ドル・円は15時45分現在、原油は  5日
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【前週のレビュー】
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が支援要因、とした。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を受けて買い優勢となったが、
利下げを織り込み、金に利食い売りが出たことに上値を抑えられた。現物相場は10月
16日以来の高値1724.25ドルを付けた。プラチナ先限は10月20日以来の高
値8065円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は10月21日以来の高値
1504.00ドルを付けた。
 トランプ米大統領は、次期連邦準備理事会(FRB)議長の人選を来年初めに発表す
る予定と明らかにした。ホワイトハウス国家経済会議(NEC)のハセット委員長が指
名される可能性が出ている。市場ではハセット氏がFRB議長に選ばれれば、米大統領
の意向に沿って積極的な利下げに動くとの観測が高まった。ただ米銀大手や米債市場の
大口投資家らは、ハセット氏の過度な利下げ姿勢を不安視していることを米財務省に伝
えた。
 11月の米ISM製造業景気指数は48.2だった。前月の48.7から低下し、9
カ月連続で製造業の節目となる50を割り込んだ。米ISM非製造業総合指数は
52.6と前月の52.4からほぼ横ばいとなった。11月のADP全米雇用報告によ
ると、民間雇用者数は3万2000人減と、予想外に減少した。中小企業の雇用減少が
響いた。事前予想は1万人増だった。再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・ア
ンド・クリスマスによると、11月に発表された人員削減数は前月比53%減の7万
1321人だった。ただ関税や需要減速を背景に企業が不確実な経済環境を乗り切ろう
とするなか、採用計画は低迷が続いた。米新規失業保険申請件数は2万7000件減の
19万1000件と2022年9月以来の低水準となった。バンク・オブ・アメリカ
(BofA)・グローバル・リサーチは、9〜10日の米連邦公開市場委員会(FOM
C)で、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げると予想していると発表し
た。
【欧米のパラジウムETF残高が増加】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、3日のロンドンで10.78トン(前
週末11.36トン)に減少、4日のニューヨークで39.43トン(同38.74ト
ン)に増加、南アで6.47トン(同6.47トン)と変わらずとなった。またパラジ
ウムETFの現物保有高はロンドンで5.13トン(同5.10トン)、ニューヨーク
で18.30トン(同17.74トン)に増加、南アで0.30トン(同0.30ト
ン)と変わらずとなった。欧米のパラジウムETF残高が増加した。トランプ米政権
は、バイデン前政権が昨年決定した燃費基準を大幅に緩和することを提案した。ガソリ
ン車販売の支援になるとみられている。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建
玉明細報告によると、10月21日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い
越しは1万6874枚(前週1万8953枚)、パラジウムの売り越しは962枚(同
1013枚)に縮小した。
【中国の不動産不況に対する懸念が強い】
 11月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2と節目となる50を
8カ月連続で下回った。サービス業も冷え込み、非製造業PMIは約3年ぶりに50を
割り込んだ。厳しい構造改革を進めるか、内需押し上げのため追加刺激策を打ち出すか
という当局のジレンマを浮き彫りにした。製造業PMIは前月の49.0からは上昇し
た。事前予想は49.2だった。またレーティングドッグの中国の製造業PMIは4
9.9と前月の50.6から低下し、事前予想の50.5も下回った。生産の伸びが止
まり、新規受注が鈍化した。レーティングドッグのサービス部門PMIは52.1に低
下し、5カ月ぶりの低水準となった。海外からの需要は増加したものの、新規受注の伸
びが鈍化した。節目となる50を上回ったが、前月の52.6から低下した。一方、中
国の民間データ会社2社が月次住宅販売データの公表を見送り、不動産不況に対する懸
念が出た。中国のサイバー空間規制当局である国家インターネット情報弁公室(CA
C)の上海支局は2日、「不動産市場の先行きを悲観的にあおり、住宅政策をゆがめて
解釈する」オンライン投稿を数千件削除したと発表した。上海プラチナの出来高が伸び
悩み、高値での買いが見送られた。
当面の予定(イベント・経済統計)
 8日 国内総生産 2025年7-9月期2次速報 (内閣府)
    国際収支(経常収支) 2025年10月(財務省)
    中国貿易収支 2025年11月(税関総署)
    独鉱工業生産指数 2025年10月(経済技術省)
 9日 キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
    独貿易収支 2025年10月(連邦統計庁)
    米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
    建玉明細報告(CFTC)
10日 企業物価指数 2025年11月(日本銀行)
    中国消費者物価指数 2025年11月(国家統計局)
    中国生産者物価指数 2025年11月(国家統計局)
    政策金利発表(カナダ銀行)
    米FOMC声明文公表
11日 政策金利公表(スイス国立銀行)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
12日 独消費者物価指数 2025年11月確報(連邦統計庁)
    英貿易収支 2025年10月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2025年10月(国立統計局)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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