ドル円、156円近くまで買い戻し FOMC控えたドル高のほか、青森県沖の地震で円安も=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は東京時間に154円台に再び値を落としていたものの、NY時間に入って156円近くまで買い戻される展開。青森県沖で発生した地震で、津波警報が出たことから、円安の反応も見られていた。 ドル円は11月下旬からの下げは一服しているものの、160円に向けて買い戻しを強める雰囲気もなく、次の展開待ちの雰囲気も強まっている。 今週のFOMCに対する反応を待ちたい雰囲気のようだ。市場では追加利下げが確実視されており、市場は来年以降の見方に注目している。エコノミストからは「FRBは今週利下げを実施すると予想しているが、その後についてはデータ次第との姿勢を示すだろう」と述べている。短期金融市場では来年にかけて、今回を含めてあと3回か4回の利下げを見込んでいるが、今回のFOMCでは委員の金利見通し(ドット・プロット)も公表され、何らかのヒントが出るか注目される。 ただ、上記エコノミストは、パウエル議長が来年の利下げペース鈍化を示唆する可能性があるとも指摘している。労働市場の指標はまちまちで、最近のデータだけではFRBが積極利下げの継続を示すには説得力に欠けるという。もっとも、来年5月で議長が交代することから、その辺は未知数な部分も大きい。 ユーロドルは戻り売りが優勢となり、1.16ドル台前半に値を落としている。100日線が1.1645ドル付近に来ているが、その水準を下回る動きが見られている。1.16ドルよりも下に21日線が来ているが、目先の下値水準として意識されている。 本日はシュナーベルECB理事の講演が伝わっており、ECBの次の行動は利下げではなく利上げになる可能性があると示唆した。同理事は「利上げに対する投資家の見方に違和感はない」と語ったが、「これは近い将来には起こらない」とも述べている。また、ECBが来週18日の理事会で成長見通しを上方修正する可能性があることも示唆した。 アナリストは、こうした発言は米国に投資しているユーロ圏の投資家にドル下落リスクのヘッジをさらに縮小させる可能性があると述べている。 ポンドドルは1.33ドル台前半での狭い範囲での上下動が見られている。200日線が1.3330ドル付近に来ているが、その付近での次の展開に向けて待機している状況。11月のリバウンド相場に若干過熱感も出ているものの、下押す動きもなく底堅さは堅持している状況。一方、ポンド円は207円台に上昇しており、昨年7月以来の高値水準を更新している。 先月の予算案発表後、スターマー政権は批判を浴びているが、英政府の結束した姿勢がポンドの一段安を防いでいる。しかし、ポンドは依然として安全圏にはないとの指摘も出ている。スターマー首相はリーブス財務相を擁護し、増税を正当化するために、経済見通しを過度に悲観的に示して有権者を誤解させたとの批判を退けた。 しかし、予算案はポンドにとって長期的な問題になるという。2029年の総選挙を控えて、後半に設定された歳出削減が実際に実行できるのか疑問視されているためだ。明確な解決策がない中、この問題はポンドの潜在的な重荷となる可能性が高いと指摘している。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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