【NY金は安全資産需要受け高止まりが続く】 NY金期近2月限は終値ベースで4200ドル台を回復した11月26日以降は 4200ドルを支持線にしての高値圏でもみあいが続いている。 NY金は9日から10日にかけて開催された米公開市場委員会(FOMC)での追加 利下げ観測を支援材料に堅調に推移。今回のFOMCは事前に予想通り、追加利下げと なった。 FOMC開催前から追加利下げを見込む比率が80%台後半に達し、NY金は追加利 下げ観測を手掛かりにして11月上旬以降に浮上してきていただけに、今回の追加利下 げ決定で材料は織り込まれたことになるが、それでもNY金が本格的に下押される可能 性は低いと見られる。 根拠の一つとして考えられるのが、これまでと同様に根強い米経済、雇用に対する不 安感だ。米政府機関の一部閉鎖が解除されて以降、経済指標の発表が通常ベースに戻っ た。発表される内容も11月時点の内容が大部分を占めており、ようやく米経済及び雇 用情勢の最新の状況を確認出来るようになってきている。 最新の状況が明らかとなるなか、10月米労働省雇用動態調査(JOLTS)求人件 数は事前予想の711万7000件を上回る767万件と5カ月ぶりの高水準に達した ことが明らかとなり、これまでの米雇用情勢の軟化に対する警戒感も後退している。 これまでの追加利下げは米失業率が4.4%まで上昇し米雇用情勢の軟化懸念が高ま るなか、その対応を目的として実施されてきた。そのため予想以上の求人件数が発表さ れたことは追加利下げ観測を後退させる要因となる。16日に発表される11月米雇用 情勢の内容を確認する必要はあるものの、12月FOMCを終えて追加利下げが材料織 り込みとなることも重石となり、目先のNY金2月限は上値を抑制される動きが続く可 能性がある。 安全資産を求めて金市場に引き続き資金が流入すると見られ、NY金が本格的な軟化 に向かう可能性は低いと見られる 米株式市場のみならず、世界的に人工知能(AI)関連企業の好調な業績を受けてA I関連株の高騰が続いているが、これまでの上昇を受けて高値警戒感も強まっている。 AI関連株は株式市場全体をけん引してきたが、米国ではダウ平均の高下と連動するよ うにNY金も高下する場面が見られており、これまでの株価急騰の反動安に備えるため の安全資産としての金需要が膨らんでいる様子を示している。 また、新興国を中心にドル離れの動きが見られるなか、ワールド・ゴールド・カウン シル(WGC)の発表では今年第3四半期の公的機関による金購入が220トンの買い 越しとなるなど通貨分散や自国通貨の価値保全を目的とした中央銀行による金購入の動 きが広がっていることも金価格を支える要因になっている。 さらに、WGCが毎年行っている中央銀行金準備調査(CBGR)調査での今後12 か月間の金準備の予想調査では、解答があった新興国・先進国合わせて72行の中央銀 行のうち増加を見込む比率が前年の29%を上回る43%に達しており、今後も中央銀 行による金購入の動きが続く可能性が高い様子が示されている。 12月FOMCを終えたことで目先の材料織り込み感が強まるNY金市場だが、株価 の高騰やドル離れの動きが安全資産を求める動きを刺激し、これが金需要を高める要因 となる状況が続くと予想されるだけに、NY金は引き続き高止まりが見込まれる。NY 金2月限は4200ドルが当面の下値支持線になってきそうだ。 MINKABU PRESS
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