プラチナ週間展望=堅調、米労働市場の下振れリスクが支援

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [12月15日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2026 年 10 月限  12 月 8 日〜 12 月 12 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          21,374    21,789 (12)   21,298 ( 8)     21,786         +420
  銀           286.0     308.0 (12)    280.0 (10)      308.0        +23.0
 プラチナ       7,700     7,991 (12)    7,620 ( 8)      7,955         +279
 パラジウム     7,300     7,400 (10)    7,300 ( 8)      7,400         +100
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        11  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 2) 4,313.0     +70.0   | ドル・円    155.75      1.23 円安
  銀       ( 3) 6,459.2    +553.9   | 日経平均  50,836.55       +344.68
 プラチナ   ( 1) 1,713.2     +52.7   | NY原油 ( 1)  57.60         -2.48
 パラジウム ( 3) 1,542.90    +40.70  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 11日
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【前週のレビュー】
 プラチナは米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ織り込みでもみ合い、とし
た。
 プラチナは米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、もみ合いとなった。米FOM
Cでは利下げが決定され、利下げの一時停止見通しが示されたが、警戒されたほどタカ
派ではないとの見方が強まり、ドル安や金堅調が支援要因になった。現物相場は1日以
来の高値1702.10ドルを付けた。プラチナ先限は1日以来の高値7991円を付
けた。一方、パラジウムの現物相場は10月21日以来の高値1513.34ドルを付
けた。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目
標水準を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.50〜3.75%とすることを
決定した。利下げは3会合連続。また2026年については、利下げ1回との見通しを
維持した。FOMC声明では、「FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と
時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスク
のバランスを慎重に評価する」とした。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会
見で、労働市場の下振れリスクを指摘し、市場では警戒されたほどタカ派ではないとの
見方が強まった。
 9月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.8%上昇し、前月の2.7%
上昇から小幅に伸びが加速した。2024年4月以来の大幅な上昇率となる。前月比は
0.3%上昇だった。前年比、前月比ともに事前予想と一致した。12月の米ミシガン
大消費者信頼感指数速報値は53.3と11月確報値の51.0から上昇した。改善し
たものの、物価高と労働市場を巡る懸念は依然として続いているもよう。事前予想は
52.0。10月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は767万件と
前月から1万2000件増加した。求人は小幅に増えたものの、企業が不確実な経済環
境に対処する中、採用は低調に推移した。事前予想は715万件だった。米新規失業保
険申請件数は23万6000件と、前週から4万4000件増加し、約4年半ぶりの大
幅増となった。事前予想の22万件も上回った。
【欧米のプラチナETF残高が増加】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、10日のロンドンで10.46トン
(前週末10.23トン)、11日のニューヨークで41.41トン(同39.85ト
ン)に増加、南アで6.47トン(同6.47トン)と変わらずとなった。またパラジ
ウムETFの現物保有高はロンドンで5.22トン(同5.17トン)に増加、ニュー
ヨークで18.73トン(同18.73トン)、南アで0.30トン(同0.30ト
ン)と変わらずとなった。欧米のプラチナETF残高が増加した。ドル安や金堅調を受
けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告に
よると、11月4日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万
8694枚(前週1万9550枚)、パラジウムの売り越しは903枚(同1424
枚)に縮小した。
【中国は積極的財政政策を継続する方針】
 11月の中国の貿易統計によると、輸出はドル建てで前年比5.9%増と、事前予想
の3.8%増を上回った。米国以外への出荷増に支えられた。トランプ米大統領の法外
な高関税を受け、製造業は他の国々との貿易関係を深めている。輸入は1.9%増加し
た。事前予想は3.0%増だった。11月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年比
0.7%上昇し、1年9カ月ぶりの高い伸びとなった。事前予想と一致した。ただ生産
者物価指数(PPI)は同2.2%下落し、事前予想の2.0%下落より大幅なマイナ
スとなった。基調的な傾向は内需が依然として弱く、短期的に回復する可能性が低いこ
とを示唆している。一方、中央経済工作会議を開催し、2026年の経済運営について
消費と投資を刺激し、高い経済成長を維持する「積極的」財政政策を継続する方針を示
した。
当面の予定(イベント・経済統計)
15日 短観 概要及び要旨 12月調査(日本銀行)
    中国住宅価格指数 2025年11月(国家統計局)
    中国小売売上高 2025年11月(国家統計局)
    中国鉱工業生産 2025年11月(国家統計局)
    ユーロ圏鉱工業生産 2025年10月(EUROSTAT)
    米製造業景況指数 2025年12月(ニューヨーク連銀)
16日 ●南ア(和解の日)
    英雇用統計 2025年11月(国立統計局)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年12月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年12月速報(Markit)
    ユーロ圏貿易収支 2025年10月(EUROSTAT)
    独景況感指数 2025年12月(ZEW)
    米小売売上高 2025年10月(商務省)
    米住宅着工・許可件数 2025年11月(商務省)
    米雇用統計 2025年11月(労働省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2025年11月(FRB)
    建玉明細報告(CFTC)
17日 機械受注 2025年10月(内閣府)
    貿易収支 2025年11月速報(財務省)
    英消費者物価指数 2025年11月(国立統計局)
    英生産者物価指数 2025年11月(国立統計局)
    独景況感指数 2025年12月(ifo)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年11月確報(EUROSTAT)
    米企業在庫 2025年10月(商務省)
18日 金融政策決定会合(日本銀行)1日目
    英中銀政策金利公表(BOE)
    理事会結果公表(ECB)
    米経常収支 2025年7-9月期(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米消費者物価指数 2025年11月(労働省)
    米製造業景況指数 2025年12月(フィラデルフィア連銀)
    対米証券投資 2025年10月(財務省)
19日 消費者物価指数 2025年11月(総務省)
    総裁記者会見(日本銀行)
    独生産者物価指数 2025年11月(連邦統計庁)
    英小売売上高 2025年11月(国立統計局)
    ユーロ圏国際収支 2025年10月(ECB)
    米国内総生産 2025年7-9月期確報値(商務省)
    米個人所得・支出 2025年11月(商務省)
    米消費者信頼感指数 2025年12月確報値(ミシガン大)
    米中古住宅販売統計 2025年11月(全米不動産協会)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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