前週は50ドル台後半でやや上値の重い展開になった。地政学リスクの高まりが下値 を支えるも、週明け直後から60ドルを割り込み、そのままじり安の展開になった。ウ クライナ和平協議の難航、ロシア産とベネズエラ産の供給不安が下値を支えるが、地政 学リスクで本格的に値上がりするような動きはみられなかった。需給緩和評価から戻り 売り優勢の展開になり、10月21日以来の安値を更新した。国際エネルギー機関(I EA)月報では、供給過剰見通しが再確認されている。 今週も戻り売り優勢の展開が続く見通し。地政学リスクは高めの状態にあるため、引 き続き突発的な上昇には注意が必要。特に米軍がベネズエラに対する攻撃に踏み切る と、60ドルに迫る可能性もある。ただし、いずれにしても供給過剰見通しに修正を迫 ることは難しく、乱高下しながら徐々に値位置を切り下げる展開になろう。地政学リス ク織り込みの上昇は売り場になろう。ウクライナ和平協議の進展がみられると、年初来 安値に迫る可能性がある。 予想レンジは55.50〜61.00ドル。 (マーケットエッジ・小菅 努)
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