【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における11月 18日時点の大口投機家の売り越しは490万2989枚となり、前週の509万 9865枚から縮小した。取組高合計は5148万9829枚となり、前週から58万 8521枚(1.2%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.6%増、債券 合計が1.6%増、為替合計が1.0%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.7%増、エネルギー合計は0.4%減、金属合計は0.5%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売 りを上回って売り越しを縮小、債券で新規買いが新規売りを上回って売り越しを縮小し た。為替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 11月17日の週は、米金融当局者の利下げに慎重な発言を受けて米連邦準備理事会 (FRB)の利下げ観測が後退した。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が3万1157枚買い越し(前週4万8476 枚買い越し)、ユーロは9万9007枚買い越し(同7万3589枚買い越し)、英ポ ンドは7万9257枚売り越し(同8万1004枚売り越し)となった。ユーロは新規 買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油がウクライナ和平案に上値を抑えられた。金は米金融当局者の利 下げに慎重な発言を背景とした米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が圧迫要 因になったが、安値拾いの買いが入って下げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が6万9176枚買い越し(前週 6万0384枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨーク 金は21万0339枚買い越し(前週20万7069枚買い越し)に拡大、ニューヨー ク・プラチナは1万6573枚買い越し(同1万8885枚買い越し)に縮小した。金 は新規買いが新規売りを上回り、プラチナともに新規売りが新規買いを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが12万0900枚買い越し(前週4万 3013枚買い越し)、大豆は25万4090枚買い越し(同22万8126枚買い越 し)に拡大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規買いが新規売りを上 回った。11月17日の週のコーンは、強気の輸出が支援要因になったが、大豆安を受 けて上げ一服となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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