米雇用統計待ちでドル円小動き、ユーロとポンドは指標に反応=ロンドン為替概況 ロンドン市場では、ドル円の下げが一服している。東京市場ではリスク回避の動きとともに155円台前半から154円台後半へと下落した。しかしロンドン時間に入ると米雇用統計を控えて様子見ムードが支配的。ドル円も154円台後半で下げ渋りとなっている。ポンドとユーロは対照的な指標結果を受けて動意がみられた。英雇用統計で週平均賃金が予想を上回り、根強いインフレ圧力として意識された。さらに、英PMI速報値が強含んだことも支援材料となった。対するユーロ圏ではドイツ製造業PMI速報値が予想外に悪化したほか、ドイツZEW景況感は期待指数が改善も現況指数は一段と悪化した。一連の結果を受けてポンド買い・ユーロ売りが継続している。ポンドドルが1.34台乗せへ、ポンド円が208円手前へと高値を伸ばす一方で、ユーロドルは1.17台半ば付近、ユーロ円は182円付近に停滞している。米株先物・時間外取引や欧州株は調整に押され気味、原油先物や金先物が下落するなど米雇用統計を控えて警戒感は継続している。 ドル円は154円台後半での取引。東京朝方の155.25付近を高値に、東京午後には154.68付近まで安値を広げた。日銀利上げ観測や米雇用統計を控えた調整や警戒感が円買い圧力となっていた。しかし、ロンドン時間に入ると下げは一服。154円台後半に下げ渋り、揉み合い商状が続いている。 ユーロドルは1.17台半ばでの取引。ロンドン朝方に1.1744から1.1764までのわずか20ポイントで振幅をみせたあとはレンジ内での推移が続いている。ユーロ円は東京市場で182.49付近を高値に181.78付近まで下押しされた。ロンドン時間には182円台前半に下げ渋ったあとは揉み合いが続いている。米雇用統計待ちのムードが広がっている。 そのなかで、対ポンドでは軟調に推移している。英独PMI速報値の強弱感の差に反応した。独ZEW景況感は期待指数が改善も現状指数は悪化とまちまちの内容だった。 ポンドドルは1.34台前半での取引。ロンドン朝方に発表された8-10月期の英ILO雇用統計で週平均賃金が予想を上回ったことでポンド買いが広がった。さらに英PMI速報値が製造業・非製造業ともに強含んだことも支援材料となった。ポンドドルは1.3355付近を安値に高値を1.3427付近まで伸ばしている。ポンド円は東京市場での下げを帳消しにしている。ロンドン朝方に206.78付近まで下押しされたが、英雇用指標発表後には上昇に転じている。ロンドン市場では高値を207.94付近まで伸ばし、208円台に迫った。ユーロポンドは0.8796付近から0.8756付近まで下落。木曜日にはECB理事会と英金融政策委員会(MPC)が金融政策を発表する。ECBの金利据え置き姿勢に対し英中銀には利下げ観測が広がるなかでこれまでユーロ買い・ポンド売りが続いてきたが、きょうの経済指標発表をきっかけにポジション調整が入る面も指摘される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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