【これからの見通し】植田日銀総裁会見を確認、その後は週末相場となる可能性 本日の日銀金融政策決定会合では市場予想通りに政策金利目標を0.75%に引き上げた。利上げは想定済みということで、円相場は円安方向に振れる場面があった。この後の植田日銀総裁会見が目先の注目材料となる。 会見では利上げの根拠が示されることとなる。トランプ関税の影響が想定よりも限定的だったことや、賃上げ動向の強さが示されていること、また円安の弊害が懸念されていることなどがその背景にあるようだ。会見でのポイントは、今後の利上げの道筋となろう。これまで植田総裁は中立金利水準について明言を避けてきた。しかし、市場では具体的な水準を知ることで、今後どの程度の追加利上げが想定されるのかがわかりやすくなる。利上げを再開したのだから、そろそろ今後の利上げ過程に対するビジョンを明らかにしてほしいところだ。その点について、記者からも突っ込んだ質問が相次ぎそうだ。 会見終了後の円相場動向を確認したあとは、週末を控えた調整や来週のクリスマス相場を控えた薄商いに対する対応の動きがみられそうだ。つまり、ポジション調整一巡後は、流動性の低下を見越して慎重な取引姿勢に戻ることが想定されよう。 ただ、地政学リスクといった突発的な材料には、反応が極端になる可能性があり、ウクライナ交渉、米国とベネズエラの問題、そして日中関係がこれ以上こじれないかどうかなどには注意を払いたい。 この後の海外市場で発表される経済指標は、英公共部門ネット負債(11月)、英小売売上高(11月)、ドイツ生産者物価指数(11月)、ドイツGfK消費者信頼感調査(1月)、ユーロ圏経常収支(10月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(12月)、カナダ小売売上高(10月)、米中古住宅販売件数(11月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(12月)などが予定されている。 発言イベント関連では上記日銀総裁会見のあとに、欧州各国の中銀が最新の経済予測を発表する予定。ECBは賃金トラッカー(TBC)を公表する。レーンECBチーフエコノミストが経済会議に出席、ウィリアムズNY連銀総裁やハマック・クリーブランド連銀総裁がメディアに出演する。欧州各国は一連の経済予測を発表することで年内の仕事納めの感もある。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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