【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における12月 9日時点の大口投機家の売り越しは416万2764枚となり、前週の425万 3516枚から縮小した。取組高合計は5142万9922枚となり、前週から54万 5746枚(1.1%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が3.7%増、債券 合計が0.3%増、為替合計が13.6%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が0.6%減、エネルギー合計は0.2%増、金属合計は3.2%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買い、買い戻しが 入って売り越しを縮小、債券で新規買いが新規売りを上回って売り越しを縮小した。為 替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 12月8日の週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定された。利下 げの一時停止見通しが示されたが、警戒されたほどタカ派ではないとの見方が強まっ た。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が1万7448枚買い越し(前週3万6418 枚買い越し)、ユーロは13万8788枚買い越し(同万10万8453枚買い越 し)、英ポンドは7万5515枚売り越し(同8万0180枚売り越し)となった。ユ ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が供給過剰見通しやウクライナ和平案を受けて売り優勢となっ た。金は米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げの一時停止見通しが示されたが、 警戒されたほどタカ派ではないとの見方が強まったことを受けて買い優勢となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が5万8433枚買い越し(前週 5万1037枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニューヨ ーク金は22万3886枚買い越し(同21万7560枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは1万9890枚買い越し(同1万5980枚買い越し)に拡大した。金は新 規買いが新規売りを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが6万7530枚買い越し(前週8万7096 枚買い越し)、大豆は21万6105枚買い越し(同24万5272枚買い越し)に縮 小した。コーン、大豆ともに手じまい売り、新規売りが出た。12月8日の週のコーン は、需給引き締め見通しを織り込み、もみ合いとなった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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