石油週間見通し=NY原油は乱高下、米国のイラン攻撃いったん回避も波乱含

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は安値から反発して、ここまでの戻り高値
は58.74ドルと、再び59ドルが射程に入って来た。仮にこのまま59ドルを上抜
けると、ほぼ半月の上値抵抗を抜けることになるため、60ドルを試す可能性が高くな
る。またファンドの商品指数の年次リバランス(ウエート見直し)で、原油に資金が流
入して買われるとの見方が出ていることにも注意とした。

【NY原油は乱高下、V字型の切り返しもあり得る】
 ニューヨーク原油2月限は20日に納会を迎えるため、3月限が指標限月となるが、
その3月限は60ドルの節目を大幅に上回り、14日には62.20ドルの高値を付け
た。しかし15日には大陰線を引いて急落して安値は58.76ドルまであった。まさ
に乱高下しているが、目先はどこで下げ止まるのかを見極める場面となっている。
 ただ、後述するように、材料的には指標に回った3月限がいつ買い直されてもおかし
くない状況のため、早々に押し目底からV字型の切り返しもあり得る地合いとなってい
る。日柄的には19日が新月となっているため、その辺りで押し目底を付ける可能性も
考えておきたい。

 材料的には、米国がイランを攻撃する可能性が高まっているという地政学的リスクで
買い煽られたものの、トランプ米大統領の発言で当面の攻撃は見送られるとの見方が台
頭して急落。投機筋の思惑で乱高下した感が強かった。
 一方で米国は新たなイラン制裁を発表しており、今回の米国のイラン攻撃回避は、イ
スラエルの対イランの防空システムの整備のための時間稼ぎとの見方も強い。したがっ
て、ベネズエラ攻撃の時と同様に突如として攻撃が始まる可能性も考えておきたい。い
ったん攻撃が始まれば、少なくとも短期的には噴き上げる展開となりそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は引き続き過去最高値に近い水準にあ
り、5万ドル台乗せも十分に可能な値位置にある。
 ドルインデックスは年始からのジリ高基調を継続して、直近は99ポイント台前半で
推移。
【2025年のロシアの石油・ガス歳入、パンデミック以来の低水準】
 欧州連合(EU)は15日、ロシア産原油の取引価格の上限を2月1日から‍
44.10ドル/バレルに引き下げることを明らかにした。対ロ制裁の一環として、平
均​市場価格を15%下回る額に設定したという。これまでの上限は60ドル。
 ロシア財務省によると、2025年の同国の石油ガス歳入は8兆4800億ルーブル
(約1080億3000万ドル)と、前年比24%減となり、新型コロナウイルスのパ
ンデミックで落ち込んだ2020年以来の低水準とになった。これは原油価格の下落と
ルーブル高に加えて、ウクライナによる石油施設への断続的な攻撃で製油能力が著しく
低下したことにより、石油製品の輸出がほとんど停止していることも影響していると思
われる。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である6月限は騰勢を強めて、ボリンジャーバンドの2シグマ(6
万1810円辺り)を大きく上抜けたが、15日にはその日のうちに高値から大きく崩
れて、日足は上下にひげの長い十字線を付けた。16日は大陰線を付けたが1シグマ
(5万9450円辺り)は維持した。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油3月限は60ドル突破から一気に騰勢を強めてボリンジャーバンド
の2シグマ(61.00ドル辺り)を大きく上抜けたが、15日には大陰線を引いて急
落。1シグマ(59.37ドル辺り)も割り込んだ。

 ブレント原油3月限も同様の値動き。騰勢を強めて65ドルの節目を突破して、ボリ
ンジャーバンドの2シグマ(65.55ドル辺り)を大きく上抜けたが、15日には大
陰線を引いて急落。安値では1シグマ(63.60ドル辺り)も割り込んだ。

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