貴金属4品週間見通し=金は地政学不安や不確実性懸念から高値圏を維持

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金2月限は今月12日に4600ドル台に乗せた後、しばらく4600ドル前後
で推移したが、19日の週を迎えた後は急伸となり、22日に4944.3ドルまで上
伸し、史上最高値を連日、更新した。
 この急伸は、米トランプ政権がグリーンランドの領有を求めたことで、欧州8か国が
軍を派遣する事態になるなど、グリーンランドを巡り欧米間の緊張が高まったことが背
景となっている。
 トランプ大統領はグリーンランドを巡り、欧州に対する2月1日から予定していた関
税撤廃を表明したうえ、将来の合意の枠組みが形成されたことを明らかにしたことで、
グリーンランドを巡る懸念は後退している。
 1月3日にベネズエラの首都を軍事攻撃しマドゥロ大統領を拘束。その後はデモが拡
大するイランにおいてデモを支援する声明を自らが運営するSNSに投稿。さらにグリ
ーンランドの領有を巡り欧州諸国との対立が激化するなど、今年に入ってから米トラン
プ政権の動きが起点となって地政学不安が高まっている。
 これらの動きのうち、ベネズエラへの軍事攻撃やグリーンランドの領有に関しては昨
年12月5日に発表された国家安全保障戦略(NSS)に基づいた動きと見られる。
 今後もNSSに基づき米国では西半球を重視する動きを強めると見られる。米国は中
南米諸国を米国の裏庭としてみてきたが、近年は中国の積極的な進出が続いている。資
源の宝庫であるうえ、主要な貿易相手国であり、かつ地理的にも米国に近い中南米諸国
は中国にとっても重要な位置にあると見られる。
 国防の意味合いからも米国にとって中南米諸国での地盤を固めることは重要な意味が
あると見られるだけに、中南米諸国のうち反米色の強い国への介入が行われる可能性が
引き続き意識される。
 この地政学不安に加え、トランプ政権の不確実性が意識され米国及びドル離れの動き
が広がると見られることや、安全資産を求める動きが引き続き金市場に流入してくるこ
とが想定される。
 NY金2月限は23日の時間外取引で4970ドルをつけ、史上最高値をさらに更新
している。安全な投資先として金への需要が高まっており、5000ドル台示現の可能
性が高まるなかでの高値圏での高下が想定される。
<銀>
 NY銀3月限は今月12日に大きく値を伸ばした後も騰勢を維持し22日に史上最高
値となる9673.5セントに達した。
 これまでと同様、工業用としての需要の増加期待に加え、地政学不安や米国・ドル離
れの動きを手掛かりにして値を伸ばしているNY金の動きが買い支援要因となってい
る。
 また、ベネズエラに対する米国による軍事攻撃は中南米諸国での地政学不安を高める
が、中南米諸国は銀の主要な生産地域であることも供給不安を高める一因になったと見
られる。
 強気な需給に金の堅調が加わったことで基調は強く5日間移動平均が通る9290セ
ント前後が目先の下値支持線として意識される高もみが見込まれる。
<白金>
 NY白金4月限は昨年12月29日に大きく値を追とした後に買い戻されながらも、
今月20日までは2490ドルが目先の抵抗線として意識されるもちあいが続いた後、
21から上放れ、22日に2635.5ドルまで上伸し、高値を更新している。
 NY金・NY銀の堅調が買い支援要因になったと見られるが、2026年は供給過剰
が見込まれるなど需給面は弱気なだけに、これから先の上げ余地は限られそう。高値圏
でもみあいで推移か。
<パラジウム>
 NYパラジウム3月限は今月12日の高値1974ドルを抵抗線にしてのもちあいと
なっていたが、22日の時間外取引で一時1980ドル台に上昇した。
 NY金・銀の堅調に追随し白金が値位置を切り上げているため、白金との比価から
追随買いが入る可能性はあるが、需給を手掛かりとしていないだけにファンダメンタル
ズから考慮した場合、伸びも限られそう。2000ドルが目先の上値抵抗線と見られる
が、2000ドルを上抜けば、昨年12月29日以来の2100ドル台が視野に入って
くる。
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