石油週間見通し=NY原油、乱高下続くがイラン攻撃なら上抜けも

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油3月限は騰勢を強め半年振りの高値を達成した
が、既に高値から1ドル程度崩れており、目先の天井を付けた可能性も浮上している。
2月2日の満月の前に天井が前倒しで来たのか否か、2月上旬の値動きに注目したいと
した。

【NY原油は高値を抜けずに広めの乱高下】
 ニューヨーク原油3月限は1月29日に付けた66.48ドルを高値として、ここま
では61〜65ドルを中心に広い範囲での乱高下が続いているが、本稿執筆時の6日午
後には63ドル台中盤で推移している。
 ボラティリティの高さを考えると、天井確定とするのは時期尚早で上抜ける可能性は
まだ残っているとみたい。仮に上抜いた場合は昨年6月23日の69.80ドルが上値
目標となるが、そのような状況は、米国がイランを実際に攻撃した場合に限られそう
だ。

 材料的には、米国が中東の海域に空母を派遣して攻撃をちらつかせながら、外交交渉
を行っている状況。直近の6日にはオマーンで、米国のウィトコフ特使とイランのアラ
グチ外相が核開発問題について協議する予定。米国が決裂を前提に協議に臨むことや、
対イランの防空システムの準備を終えたイスラエルがイラン攻撃を望んでいる旨の報道
も散見されるため、交渉決裂の場合、いきなり今週末にもイラン攻撃が実施されて、週
明けのアジア時間の夜間取引が急伸して始まる可能性も十分にあり得るので注意した
い。

 ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア産原油の二大輸入国だったインドと中国に大き
な変化が見られる。
 まずインドだが、トランプ米大統領は2日、インドのロシア産原油輸入停止と引き換
えに、同国からの輸入関税をこれまでの25%から18%に引き下げると発表した。
 調査会社、ケプラーによると、1月のインドのロシア産原油輸入は日量121万
5000バレルと、前月比12%減。12月は日量138万バレルと、前月比22%減
と、漸減傾向が続いている。

 一方、ロイター通信によると、1月の中国のロシア産原油輸入は日量150万バレル
と、逆に前月比36%増となっている。近場のサハリンや東シベリア産原油だけでな
く、ウラル産原油は日量40万5000バレルと、2年半ぶりの高水準となっており、
インドとは全く様相が変わっている。なお、4日に米中電話首脳会談が開かれたが、こ
の件に関してあまり報道はなく、インドの輸入減少分を今後は中国が輸入増加する方向
になると思われる。

 なお、2月1日にオンラインで開催された石油輸出国機構(OPEC)プラスの有志
8カ国の会合では、3月まで増産停止を続けることが合意されて、原油相場にとっては
インパクトはあまりなかった。

 なお、今後の統計物の発表は、10〜12日にかけて、3営業日連続で、米エネルギ
ー情報局(EIA)、石油輸出国機構(OPEC)、国際エネルギー機関(IEA)の
順番でそれぞれ月報が発表されるが、2026年の世界石油の供給過剰がこれまでの見
方よりどの程度下方修正されるのかが焦点となりそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は一気に過去最高値を抜けるような状
況ではないが、まだ高値圏でのもみ合いを継続している。
 ドルインデックスはジリ高基調が続き、98ポイント台手前まで戻り高値を伸ばして
きた。
【米国、厳しい寒波で原油と留出油在庫が急減】
 米国内に目を転じると、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫
が前週比345万5000バレル減の4億22030万バレル、ガソリン在庫が68万
5000バレル増の2億5790万バレル、留出油在庫は同555万3000万バレル
減の1億2737万バレルと、原油と留出油在庫が急減していたのが目立った。
 これは米国を広範に襲った厳しい寒波で、原油生産量が日量1321万5000バレ
ルまで減少したことや、暖房用需要が急増したことがその背景にある。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である7月限は直近は3営業日陰線引けで、ボリンジャーバンドの
1シグマ(6万2780円辺り)と2シグマ(6万4350円辺り)の間の高値もみ合
い。6万5000円の節目も視野に入って来た。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油3月限は60〜65ドルを中心に広めの乱高下。一時的に65ドル
台に乗せる場面もあったが、同台では上値の重さを確認して、直近はボリンジャーバン
ドの1シグマ(63.65ドル辺り)を割り込んで引けた。

 ブレント原油4月限も同様に65〜70ドルを中心に広めの乱高下。直近はボリンジ
ャーバンドの1シグマ(67.70ドル辺り)を割り込んで引けた。

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