【前週のレビュー】ニューヨーク原油4月限は広めのもみ合いが続いているため、どち らに抜けるのか注目されるが、タイミング的に4月限に商いの中心が移る時期に下押さ られる展開となっており、買いが入りやすいエリアに入って来た印象。日柄的には17 日が新月であり、その辺りで目先の底入れをするような展開を予想したいとした。 【NY原油はイラン攻撃なら70ドル台も視野】 ニューヨーク原油4月限は新月の17日に61.76ドルの押し目底を付けた後、大 きく戻す展開。19日には1月29日の高値65.99ドルを上抜いて66.90ドル の年初来高値を付けた。目先はどこまで上値を伸ばすのかが注目されるが、4月限自体 の節目としては、昨年6月23日に付けた68.11ドル、また期近つなぎ足ベースで は昨年7月30日の高値70.51ドルなどが上値目標となる。 したがって、後述するように米国がイラン攻撃を実施した場合、このまま70ドル台 に噴き上げる展開も十分にあり得る状況となってきた。なお、本稿執筆時の20日午後 時点も66ドル半ばで続伸して推移している。 材料的には、米国とイランの関係が一触即発と言えるほど緊迫化しているのが目先の 最大の焦点となる。複数の米国メディアが早ければ21〜22日の週末にもイランを攻 撃すると可能性があると報じており、仮に週末に攻撃があれば、週明けはアジアの時間 帯から急伸して始まることが十分に考えられる。これまでも米メディアは何度もイラン 攻撃の可能性を報じて来たが、今回は米ウォールストリートジャーナルがイランに米国 の要求に応じさせるためトランプ米大統領は限定的な先制攻撃を検討していると、より 具体的な内容を報じている。また先日の米イスラエル首脳会談で、イスラエルの対イラ ン防空システムの準備も確認されたと見るべきで、昨年6月以来の米国によるイラン攻 撃の可能性は高まっていると言えそうだ。 また2月に新たに公開されたエプスタイン問題(未成年者性的虐待・人身売買疑惑) のファイルで、トランプ米大統領が少なくとも8回同氏の自家用機に搭乗していたこと が確認されており、それらに対する目くらましの意味合いで攻撃する可能性もありそう だ。 一応、トランプ米大統領は19日、攻撃に踏み切る可能性について、今後10〜15 日を期限とすると示唆したが、こういう言質はあってないようなものなので、あまり重 要視しない方がいいだろう。新年のベネズエラ攻撃も「まさか」のタイミングだった。 複数の調査会社の見通しでは、2月の中国のロシア産原油の輸入が急増する見込み。 これはもう一方の主要な買い方だったインドがロシア産を買わなくなったため。 エネルギー関連分析企業のボルテクサ・アナリティクスの見通しでは2月の中国のロ シア産原油輸入は日量207万バレル(1月は同170万バレル)、ケプラーも2月は 同208万3000バレル(1月は同171万8000バレル)とともに1月から急増 すると予想している。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び5万ドル台に乗せるような勢い は感じられないが、4万9000ドル台を維持して、引き続き大局的には高値圏でのも み合いの範疇。 ドルインデックスは引き続き総じてジリ高基調となっており、直近は98ポイント台 に乗せている。 【米国、好調な需要で在庫が軒並み急減】 米国内に目を転じると、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫 が前週比901万4000バレル減の4億1982万バレル、ガソリン在庫が321万 3000バレル減の2億5585万バレル、留出油在庫は同456万6000万バレル 減の1億2010万バレルと、軒並み在庫が急減していたのが目立った。 これは米石油製品需要の4週間移動平均は日量2119万6000バレルまで増加 し、昨年8月以来の高水準となっていることが背景。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である7月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中 心線(6万2550円辺り)近辺のもみ合いから2営業日長大陽線を引いて、6万 5000円の節目やボリンジャーバンドの2シグマ(6万6270円辺り)を一気に上 抜けた。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油4月限もほぼ同様にボリンジャーバンドの中心線(62.99ドル 辺り)に支持される形で、2営業日長大陽線を引いて、もみ合いレンジの上限 (65.99ドル)を上抜けて、ボリンジャーバンドの2シグマ(66.55ドル辺 り)を高値で上回った。 ブレント原油4月限もほぼ同様の展開。再び70ドル台に乗せて、ボリンジャーバン ドの2シグマ(71.69ドル辺り)を上回った。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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