<金> NY金4月限は5000ドル前後での往来が続いている。米国とイランでは核開発を 巡る協議が進められており、一時は進展があったと伝えられたものの、19日にはトラ ンプ米大統領がイランへの攻撃の可能性を示唆したことで、中東リスクが警戒されてい る。 1月29日に5626.8ドルの高値を更新した後に急落となり、安定感を欠いてい るが、地政学リスク、ドル不安に支えられて押し目買い意欲の強さが感じられる。 また、米国内においても雇用情勢軟化に対する警戒感がくすぶっているうえ、雇用情 勢の軟化が消費活動に与える影響も懸念される。1月の非農業部門雇用者数の前月から の増加数が事前予想の6.5万人を大幅に上回る13万人増となったことは強気な内容 だった。ただ、内訳を見てみると特定の部門に偏って大幅な伸びが見られている。 その一方で25年12月の求人件数は2020年9月以来、5年ぶりの低水準となる 654万2000件に落ち込んでいる。 今後もトランプ米政権による関税引き上げや移民政策、対外政策などの不確実性の高 さから企業による雇用控えの動きが今後も続き米雇用情勢の軟化を促す可能性がある。 また、人口知能(AI)への代替が求人件数を抑制する可能性が雇用者数を抑制する要 因になりかねない。 不確実な雇用情勢の見通しは消費意欲の停滞を招いていると見られる。昨年12月の 小売売上高は伸び悩んでおり、2025年第4四半期の国内総生産(GDP)への影響 も懸念される。 ただ一方では米連邦準備理事会(FRB)が18日に公表した1月開催分の米連邦公 開市場委員会(FOMC)議事要旨では将来の利上げ転換の可能性について複数の参加 者が言及していたことが明らかになっており、利下げ慎重論が強まっている。 米国内外の不安やトランプ米政権の不確実性が逃避買いとしての金需要を刺激する 一方、強気な米経済指標の内容やこれを受けて強まるFRBの利下げ慎重論が重石にな ると見られる。強弱材料に挟まれるなか、NY金4月限は引き続き5000ドルを挟ん での高下が続くと見られる。 <銀> NY銀3月限は12日に大きく値を落として7437セントを付けた後はしばらく 7900セントを上値抵抗線とする小動きが続いている。 米国では人工知能(AI)への代替が進むなかデータセンターなどの産業用需要、太 陽光発電システムなどの新たなエネルギー設備構築のための需要が根強く、2026年 も需給引き締まりが予想されることが強気材料。 ただ、新高値を更新し続けた1月末までの動きで強気材料を消化した可能性もある。 買い一巡感が強いなか、今後の上値は重いと見られる一方、需要の根強さに支えられ 引き続き7900セントを上値抵抗線にしてのもちあいとなりそうだ。 <白金> NY白金4月限は今月6日に1806ドルまで急落した後に値を戻したが、それ以降 は2200ドルを上値抵抗線としたもちあいが続いた。この中で2000ドルを割り込 む場面がたびたび見られたが、売り一巡感が強まるなかで2050ドル割れに抵抗を見 せる動きも強まっている。 1月26日にかけて大きく上昇した後に急落に転じており、目先の上値確認感が強 い。強気材料を消化したと見られることも重石となっているだけに、ここから先の上げ 余地は限られると見られる。 産業用としての需要の根強さが下支え要因となるなか、2050ドルを下値支持線に しての小動きが想定される。金、銀に左右されることが多く、金、銀が手じまい売りで 大幅安となった場合、つれ安のシナリオは描ける。 <パラジウム> NYパラジウム3月限は1800ドルを上値抵抗線にしてのもちあいが続いている。 今月6日に1549ドルまで値を落としたことで目先の売り一巡感が強いながらも、 1800ドルを超えるには手がかりとなる買い支援要因に乏しい。 新規の手掛かりに欠けるだけに、1600〜1800ドルとこれまでのレンジ内での 高下が続くと見られるところ。 MINKABU PRESS
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