コモディティレポート(金)

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【NY金はトランプ米政権の不確実性に支えられ高値圏での高下が続く】
 NY金4月限は今月20日まで5100ドルが抵抗線となり、5000ドルを前後す
る動きが続いた。23日から地合いを引き締め1月30日以来となる5200ドル台を
回復した。24日に5269.4ドルまで上昇となった。その後、やや値を落とした
が、5200ドル台を維持している。
 5000ドルを前後する場面が続いた後に再び浮上した背景はトランプ米政権の不確
実性に対する懸念だが挙げられる。
 2月20日にトランプ米政権がこれまで発動した相互関税などの国際緊急経済権限法
(IEEPA)を根拠にする関税に対し違法との判決を下した。これに対しトランプ米
政権は通商法122条を根拠として相互関税などの代替となる新関税を全ての国に発動
している。
 なお、トランプ米大統領は新関税の発表当時は税率を10%としていたが、その後は
15%に引き上げられる可能性が浮上している。トランプ米大統領はこれまである政策
を発表しながらもその直後には修正や撤廃を求めるなど、発表した政策に対する修正を
繰り返す動きを見せていた。
 その動きが今回の新関税発動時にも税率の引き上げ示唆という形で現れており、トラ
ンプ米政権の打ち出す政策の不確実性や不透明性が再認識される。
 その一方で米最高裁は違法とされた関税の下で集められた税金の還付に関しては還付
が受けられるかどうかの基準について下級審にゆだねた。実際に米政府が全額還付する
必要が出てきた場合、その規模は最大で1700億ドル前後に達すると見られるが、ト
ランプ米政権が関税の還付を認めるかどうかは見通しに不透明感が強い。
 既に米国内でもフェデックス社などが還付を要求するなど、トランプ米政権に対し還
付を求める動きも見られ始めているが、この動きは今後も拡大していく可能性がある。
 実際のところは還付の規模が大きいだけに米政府が還付に素直に応じる可能性は低い
と見られる。その一方で、米政府に応じた場合でも、還付の総規模が大きいだけに米政
府の収支に大きく影響を与えるだろう。また、違憲とされながらも新たな根拠を示した
ことで新関税を発動する一連の流れを受けて米国離れの動きも続き、これが万国共通の
価値を持つとされる金に対する投資意欲を務める要因になってくると予想される。
 さらに、トランプ米政権がイランに対し軍事攻撃を実施する可能性が浮上しているこ
とも地政学不安を高める要因となり、NY金にとって買い支援要因だ。
 NY金4月限は25日、5226.2ドルで終え、引き続き終値ベースで5200ド
ル台を記録している。トランプ米政権の不確実性差やこれを受けた米国離れの動き、そ
して世界的な地政学不安はNY金価格のサポート要因となり、NY金4月限は短期線の
5日移動平均線が通る5141ドルが支持線。5200ドル割れから5150ドルに下
落場面では押し目買いが喚起かされると予想。
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