コモディティレポート(金)

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【金は米利下げ観測後退が重石もイランを巡る紛争懸念で底堅く推移】
 NY金4月限は2月28日に行われた米国によるイラン攻撃を受けて地政学リスクが
高まり、一時5434.1ドルと1月30日以来の高水準まで浮上。3日は急反落し、
5005ドルと2月20日以来の安値まで下落した。
 この大きな動きは米国によるイラン攻撃を受けて地政学不安が高まるなか、安全資産
を求める動きがNY金市場に流入した結果、NY金価格は一気に押し上げられたが、そ
の後、急速にその資金が流出したことが背景となっている。
 米国との戦いのなかでイランがホルムズ海峡を封鎖したと報じられた。ホルムズ海峡
は、中東諸国との原油取引において最も重要な位置を占める海峡で、米エネルギー情報
同海峡を通過する1日当たりの原油の量は全世界の20%程度に当たる約2000万バ
レルに達する。
 ホルムズ海峡が封鎖されると多くの国や地域で原油・石油の供給が引き締まると予想
される。金は安全な投資先を求める要因になると同時に、原油価格が高騰し物価の上昇
を招く要因にもなり得る。
 ホルムズ海峡の封鎖されたことを受けてエネルギー需給の引き締まりが予想され、N
Y原油が大きく値を切り上げてインフレ高進に対する警戒感が強まっている。
 米国では生産者物価指数(PPI)が事前予想を上回る伸びを見せ、トランプ米政権
による関税引き上げを受けた価格転嫁の動きが続くなか、物価高傾向が強まっている様
子が示されていた。物価高の中での原油価格の上昇、イランに対する軍事攻撃がいつま
で続くか見通しが不透明な状況は、今後の物価高を予想させる要因になると同時に、米
利下げの先送り観測を強めるものとなる。
 1月の米公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表され、一部の参加者から利上げ
についての言及があったことが明らかになっていることも利下げが先送り観測を支える
根拠となる。この利下げ先送り観測がドル買いの動きを促していることが、NY金の上
値抑制要因になっている。
 NY金4月限は4日に小反発となった。米国によるイラン軍事攻撃以降に見られた大
幅な上昇と下落により、米国によるイラン攻撃によって高まった地政学不安とその後の
インフレ高進観測が強まるなかでのドル買いの動きによる影響を織り込みつつある。
 地政学不安に加え、トランプ米政権による関税政策や米最高裁による国際緊急経済権
限法(IEEPA)を根拠にする関税に対する違法判決を受けた米政府の対応などの不
安要素がくすぶっている。イランの停戦提案が伝えられたの報もあるが、イランを巡る
中東紛争の見通しには不透明感が強い。
 米国によるイラン軍事攻撃直後に大きく値を上げて5400ドル台に到達した後に急
落したことで目先の買い一巡感が強いだけに、今後の上値は限られると見られる一方、
底意も強そうだ。NY金4月限は目先は5200ドルを上値抵抗線としてのもちあいが
想定される。
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