[3月16日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
週間高低(カッコ内は日付) 3 月 9 日〜 3 月 13 日
始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比
ガソリン 先限 110,000 140,000(13) 110,000( 9) 140,000 +35,000
灯 油 先限 108,000 135,000(13) 108,000( 9) 135,000 +30,000
原 油 8月限 71,610 88,900( 9) 71,320( 9) 84,740 +13,090
======================================
3 月 9 日〜 3 月 12 日
<海外原油> 週間4本値 始 値 高 値 安 値 終 値 前週末比
NY原油 5 月限 91.91 113.41( 9) 75.64(10) 94.43 +6.91
ブレント原油 5 月限 99.75 119.50( 9) 81.16(10) 100.46 +7.77
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
13日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 159.35 前週末比 1.48円の円安
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前週のレビュー】ニューヨーク原油4月限は米国とイスラエルのイラン攻撃により急
騰して、5日には82.16ドルの高値を付けて、昨年1月以来の80ドル台乗せとな
った。目先の買われ過ぎ感はあるものの、ホルムズ海峡経由の石油輸出が事実上停止し
ており、現状では原油相場が急落する要素に乏しい。今後80ドル台に定着してさらに
上値を伸ばす展開も十分に予想されるとした。
【NY原油は一時2022年以来の100ドル超】
ニューヨーク原油は前回の当欄の予想以上の急騰となった。4月当限は20日に納会
するため、5月限が指標限月となるが、その5月限で見ると、9日に113.41ドル
まで急騰(4月当限は119.48ドルの高値)した。しかし、その日のうちに急落し
て、引けは91.48ドルだった。その後も70ドル台〜90ドル台の広いレンジで乱
高下している状況。中東地域の戦争を巡る情報にまさに一喜一憂する展開となってい
る。直近は再び戻り高値を試す展開となっており、本稿執筆時の13日の午後には94
ドル台で推移。
9日には期近3本が一時100ドルを超えたが、期近の100ドル超えはロシアのウ
クライナ侵攻が始まった2022年以来4年振り。2022年当時は100ドル台乗せ
た状況が数カ月続いたが、今回の場合、100ドル超えという視点で見れば、ここまで
は短期的な打上げ花火の様相。ただまだ乱高下が続きそうで、今後さらに100ドル超
えの可能性も十分にあろう。
トレーダーの心構えとしては、こういう極めてボラティリティが高い市場ではポジシ
ョンサイズを通常より落としたい。場中のもみ合いの感覚で見ていても、平気で1ドル
〜5ドル、一方的に動くため、従来の値動き感覚では対処できなくなっている。
材料的には、最も注目されているホルムズ海峡経由の原油供給障害がどこまで囃され
るのかである。後述する国際エネルギー機関(IEA)加盟国の合計4億バレルの原油
備蓄の放出が発表されても、下落するどころかまだ不十分との見方で原油市場は上昇し
ている。多分に投機的な印象もあるが、過去の「有事」の例では、もっと買い囃された
例もあり、目先はパニック的な動きがさらに続くとみておきたい。
直近の動きとしては、攻撃初日に死亡したイランの最高指導者、ハメネイ師の息子で
あるモジタバ師が後継の指導者として初の声明を発表。ホルムズ海峡の封鎖を継続する
方針を明言した。またイスラエルは彼を殺害対象としており、今後も激しい交戦状態が
続きそうだ。
ホルムズ海峡を通過するタンカーの護衛も検討されている。10日にはライト米エネ
ルギー相が、「X」に同趣旨の投稿してすぐに削除して相場を乱高下させたが、同エネ
ルギー相は12日、「準備不足ですぐにはできない」としている。
一方、ベセント米財務長官は12日、米海軍と国際有志連合で護衛すると述べてい
る。実施されれば原油供給が確保されるとの見方で相場が落ち着く可能性もあるが、逆
に前回の当欄で指摘したイランの短距離ミサイルの標的になって交戦が激化して、原油
の供給障害懸念がさらに煽られる可能性もある。
今後もニュースごとに5ドルぐらい乱高下する可能性を考えておいた方が良さそう
だ。
外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はイラン攻撃以降、原油に反比例する
形で大きく崩れて、直近は4万6000ドル台まで下落。4万8000ドル台を割り込
んだ後に下げ足が加速している。
ドルインデックスはドル高傾向が顕著。直近は99ポイント台まで上昇してきた。
【IEA、4億バレルの石油備蓄の協調放出を発表】
主要7カ国(G7)が9日のオンラインでの財務相会合、10日にはエネルギー相会
合を開催して、石油備蓄の放出を含めた供給の安定策を講じる必要があることで合意し
た。後者の会合に参加していた国際エネルギー機関(IEA)のピロル事務局長の対応
は早かった。11日にはIEAが過去最大となる4億バレルの加盟国の石油備蓄の協調
放出を発表した。
しかしそれでも原油相場を鎮静化させることはできなかった。トランプ米大統領が
「米国は原油高で多大な利益」とSNSに投稿しているぐらいだから下落するはずがな
い。
【東京原油のテクニカル分析】
東京原油の6番限である8月限は火柱相場。9日には長大陽線を引き、8万8900
円の高値。10日には逆に長大陰線を引く乱高下となった。しかしその後は上昇中のボ
リンジャーバントの1シグマ(7万7380円辺り)と2シグマ(8万5070円辺
り)の中でバンドウォークの急伸。
【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
ニューヨーク原油5月限も同様の急騰。ただし9日は暴騰後に上げ幅を大きく失う展
開となり、日足は長大の上ひげを付けた。その後は、その後は上昇中のボリンジャーバ
ントの1シグマ(82.23ドル辺り)と2シグマ(92.28ドル辺り)の中でバン
ドウォークの急伸。
ブレント原油5月限もほぼ同様の展開。9日は119.50ドルを高値から大きく崩
れて、特大の上ひげを付けたが、その後戻り歩調となり、12日に再び100ドル台を
回復した。
<当面の予定>
16日【経済】中国住宅価格指数 2026年2月(国家統計局)
【経済】中国小売売上高 2026年2月(国家統計局)
【経済】中国鉱工業生産 2026年2月(国家統計局)
【経済】英住宅価格指数 2026年3月(ライトムーブ)
【経済】米製造業景況指数 2026年3月(ニューヨーク連銀)
【経済】米鉱工業生産・設備稼働率 2026年2月(FRB)
【経済】米企業在庫 2026年1月(商務省)
17日【経済】第3次産業活動指数 2026年1月(経済産業省)
【経済】小売業販売額 2026年1月確報(経済産業省)
【経済】独景況感指数 2025年3月(ZEW)
【経済】米住宅着工・許可件数 2026年2月(商務省)
【経済】米輸出入物価指数 2026年2月(労働省)
【経済】米景気先行指数 2026年2月(カンファレンスボード)
【経済】米中古住宅販売仮契約指数 2026年2月(全米不動産協会)
【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
【工業】米週間石油統計(API)
18日【経済】貿易収支 2026年2月速報(財務省)
【経済】金融政策決定会合(日本銀行)
【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2026年2月確報(EUROSTAT)
【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
【経済】米FOMC声明文公表(FRB)
【経済】米対米証券投資 2026年1月(財務省)
【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
【工業】米週間石油統計(EIA)
19日【経済】機械受注 2026年1月(内閣府)
【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 3月8日-3月14日(財務省)
【経済】鉱工業生産指数 2026年1月確報(経済産業省)
【経済】総裁記者会見(日本銀行)
【経済】金融市場調節方針公表(日本銀行)
【経済】金融政策決定会合(日本銀行)
【経済】ユーロ圏理事会結果公表(ECB)
【経済】英雇用統計 2026年2月(国立統計局)
【経済】英政策金利公表(BOE)
【経済】英金融政策委員会議事録 3月18日分(BOE)
【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
【経済】米製造業景況指数 2026年3月(フィラデルフィア連銀)
20日【休日】春分の日
【経済】ユーロ圏貿易収支 2026年1月(EUROSTAT)
【経済】独生産者物価指数 2026年2月(連邦統計庁)
【商品】米建玉明細報告(CFTC)
【納会】米WTI原油 2026年4月限(NYMEX)
【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)
MINKABU PRESS
*投資や売買については御自身の判断でお願いします。
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。