金・銀週間展望=もみ合い、原油高とドル高が上値を抑える

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [3月16日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2027 年  2 月限  3 月 9 日〜 3 月 13 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          26,971    27,715 (11)   26,584 ( 9)     27,169       +104
  銀           426.0     426.0 ( 9)    426.0 ( 9)      426.0        0.0
 プラチナ      10,802    11,304 (11)   10,251 ( 9)     10,750        -56
 パラジウム     8,500     8,500 ( 9)    8,500 ( 9)      8,500          0
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        12  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 5,125.8     -32.9   | ドル・円    159.35      1.48 円安
  銀       ( 5) 8,511.2     +80.1   | 日経平均  53,819.61      -1801.23
 プラチナ   ( 4) 2,165.5     +23.8   | NY原油 ( 4)  95.73         +4.83
 パラジウム ( 6) 1,647.90    -14.50  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 12日
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【前回のレビュー】
 金はイラン戦争で安全資産のドル買いが上値を抑える要因、とした。
 金はイラン戦争の早期終結期待が高まったが、イラン新最高指導者がホルムズ海峡封
鎖を発表すると、原油高・ドル高に上値を抑えられた。現物相場は3日以来の高値
5236.32ドルを付けたのち、上げ一服となった。金先限は4日以来の高値2万
7715円を付けたのち、上げ一服となった。
 トランプ米大統領がイラン戦争について当初想定していた4〜5週間よりもかなり早
く進んでいると述べると、早期終結期待が高まった。しかし、イランの新たな最高指導
者に選出されたモジタバ師は声明で、ホルムズ海峡の封鎖について「敵に圧力をかける
手段として継続すべき」と表明した。原油高に振れ、ドルが安全資産として買われた。
国際エネルギー機関(IEA)が加盟国による4億バレルの戦略石油備蓄放出で合意し
たが、ホルムズ海峡封鎖で原油の供給ひっ迫感が強い。一方、イスラエルのネタニヤフ
首相は、米国とイスラエルによる攻撃でイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)のほ
か、民兵組織「バシジ」は打撃を受けているとし、作戦開始から約2週間が経過した現
在、イランは「もはや以前と同じではない」と述べ、モジタバ師の殺害を示唆した。た
だ米情報機関は、イランの指導部はほぼ無傷のままで近い将来に崩壊する兆しはないと
分析していることが伝えられた。
 2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数が9万2000人減少した。前月の
12万6000人増から反転し、予想外のマイナスとなった。失業率は4.4%と前月
の4.3%から悪化した。米新規失業保険申請件数は21万3000件と前週から
1000件減少した。労働市場の悪化懸念が高まったが、申請件数が小幅に減少したこ
とで懸念が一部緩和する可能性がある。2月の米消費者物価指数(CPI)は前年比
2.4%上昇し、前月の伸び率と一致した。ただ中東の紛争拡大が原油価格を押し上げ
ており、3月はインフレ上昇が予想されている。米サンフランシスコ連銀のデイリー総
裁は、低調な米雇用統計で労働市場を巡る懸念が高まったが、インフレの高止まりやイ
ラン紛争に伴う原油高騰がもたらすリスクを考慮すると、米連邦準備理事会(FRB)
が利下げすることを正当化するわけではないと述べた。
【金ETF残高は増加】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は12日時点で
1255.54トンとなり、前週末比1.43トン増加した。米国で1.39トン、オ
ーストラリアで0.10トン増加、英GBSで0.04トン、英ETFSと南アで
0.01トン減少した。安全資産のドル買いが圧迫要因になったが、安値拾いの買いが
入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月3日
時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万0145枚となり、前週の
15万9177枚から拡大した。今回は新規買いが2103枚、新規売りが1135枚
入り、968枚買い越し幅を拡大した。
 主要7カ国(G7)は、米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃を受けた原
油高で、ロシアに対する制裁措置の解除は正当化されないとの見解で一致した。米政府
は5日、インドにロシア産原油の購入を30日間認める措置を発表した。またトランプ
米政権は、世界的なエネルギー価格高騰に対応するため、ロシア産原油に対する制裁の
一段の緩和を検討している。ウクライナのゼレンスキー大統領は「制裁解除はウクライ
ナに深刻な打撃となる」と強く反対した。またトルコのエルドアン大統領と電話会談
し、ウクライナ、ロシア、米国による次回の和平協議について、トルコが開催を受け入
れる用意があると述べた。ただロシアは交渉を引き延ばそうとしており、歩み寄りは難
しいとみられている。
【銀はドル高や金反落が上値を抑える】
 銀の現物相場はイラン戦争の早期終結期待が支援要因になり、3日以来の高値
89.94ドルを付けたが、安全資産のドル買いや金反落を受けて上げ一服となった。
イランの新たな最高指導者モジタバ師がホルムズ海峡封鎖を発表しており、イラン戦争
の行方を確認したい。
 12日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比222.56
トン減の1万5539.06トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)
の建玉明細報告によると、3月3日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
2万3338枚となり、前週の2万2260枚から拡大した。
当面の予定(イベント・経済統計)
16日 中国住宅価格指数 2026年2月(国家統計局)
    中国小売売上高 2026年2月(国家統計局)
    中国鉱工業生産 2026年2月(国家統計局)
    米製造業景況指数 2026年3月(ニューヨーク連銀)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2026年2月(FRB)
17日 キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
    独景況感指数 2025年3月(ZEW)
    米中古住宅販売仮契約指数 2026年2月(全米不動産協会)
    米連邦公開市場委員会(FOMC、18日まで)
18日 貿易収支 2026年2月速報(財務省)
    金融政策決定会合(日本銀行、19日まで)
    ユーロ圏消費者物価指数 2026年2月確報(EUROSTAT)
    政策金利発表(カナダ銀行)
    米FOMC声明文公表(FRB)
    対米証券投資 2026年1月(財務省)
19日 機械受注 2026年1月(内閣府)
    総裁記者会見(日本銀行)
    政策金利公表(スイス国立銀行)
    英雇用統計 2026年2月(国立統計局)
    英中銀(BOE)政策金利公表
    欧州中央銀行(ECB)理事会結果公表
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2026年3月(フィラデルフィア連銀)
20日 ●春分の日
    独生産者物価指数 2026年2月(連邦統計庁)
    ユーロ圏貿易収支 2026年1月(EUROSTAT)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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