【前週のレビュー】ニューヨーク原油5月限は米国とイスラエルのイラン攻撃により9 日に113.41ドルまで急騰して以降、70ドル台〜90ドル台を中心に広いレンジ で乱高下。中東地域の戦争を巡る情報にまさに一喜一憂する展開。今後もニュースごと に5ドルぐらい乱高下する可能性を考えておいた方が良さそうで、極めてボラティリテ ィが高いため、トレードはポジションサイズを通常より落としたいとした。 【NY原油は当面はボラティリティの高い値動きが続く】 ニューヨーク原油は乱高下が続いている状況に変化はないが、5月限はこのところ 90ドル台(10ドル単位)での乱高下にレンジアップしている。18日は91.45 〜99.78ドルで推移した。本稿執筆時の19日午後には96ドル台まで軟化してい る。 現状では突発的に100ドル台乗せもあるが、定着は難しいという値動きになってい る。1日最低でも5ドル幅ぐらいで動く(10ドル幅で動くこともよくある)極めてボ ラティリティ(変動率)の高い相場付きとなっており、当面はそれが続きそうだ。 材料的には、中東地域では、当事国だけでなく周辺国の製油所、油田、ガス田、輸出 拠点などエネルギーインフラ施設の攻撃が激化しており、原油の供給障害懸念を増大さ せる結果となっている。。その最たるものが13日に実施された米国のイランの石油輸 出拠点であるカーグ島攻撃だった。カーグ島は日量330万バレルの原油を生産する同 国の輸出の90%を担う最も重要な拠点である。ただし、米軍は軍事施設を攻撃しただ けで石油施設に被害なく、カーグ島の占領を検討していることが報じられている。 また、18日にイスラエルがイランの世界最大級のガス田ある「サウスパース」を空 爆。イランはその報復として、カタールのLNG輸出拠点やサウジアラビアのガス施設 を攻撃したことが報じられている。リヤドで開催されたアラブ・イスラム諸国外相緊急 会議の後、サウジアラビアのファイサル外相はこれを強く非難して、軍事行動の可能性 を留保すると述べた。 まさに報復合戦が激化しそうな気配となっており、当面は混とんとした状況が続きそ うだ。 ホルムズ海峡封鎖問題に関しては、トランプ米大統領は艦隊の派遣を求めた同盟国側 の反応が悪いため、「助けは必要ない」と述べるなど孤立感を含めている。まったく欧 米の足並みは揃っていないが、そのようななか、高市首相が渡米して日米首脳会談が実 施されるが話し合いの結果に注目したい。ホルムズ海峡の安全航行を求めて、17日に 日本イラン外相電話会議が実施されたが、現状敵国の同盟国である日本に色よい返事を するわけがない。 最新の情報では、ペルシャ湾にはタンカーなどを含んだ推定150〜250隻の原油 や石油製品の運搬船が滞留して、海上倉庫化しているという。現在海上倉庫化している 原油は推定1930万トン。 また、通常1日に100〜135隻の船舶がホルムズ海峡を通過するが、それが平均 で20隻以下まで低下しているという。 日本向けについても、石油タンカーが5隻もペルシャ湾に滞留しており、3月22日 到着分の石油タンカーの到着を最後に中東から日本への石油タンカーの到着見込みはな いという。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに売られる展開。直近は4万 6000ドル台前半まで下落している。 ドルインデックスはさらにドル高傾向。直近は100ポイント台に乗せている。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である8月限はさらに高値更新。上昇中のボリンジャーバントの1 シグマ(8万3470円辺り)と2シグマ(9万2540円辺り)の中でのバンドウォ ークの上昇が続く。19日には高値で9万円台に到達した。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油5月限も上昇中のボリンジャーバントの1シグマ(90.44ドル 辺り)と2シグマ(102.57ドル辺り)の中でバンドウォークの上伸。90ドル台 の広いもみ合いにレンジアップしてきた。 ブレント原油5月限もほぼ同様の展開。直近は100ドル台に定着しつつあり、18 日には高値で110ドルに到達した。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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