ドル円、ドル高継続も159円台に値を落とす パウエル発言で年内利上げ期待は後退=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル高は継続していたものの、円買戻しでドル円は一時159円台前半まで値を落としている。イエメンのフーシ派が参戦を表明し、イスラエルに攻撃を実施するなど、中東情勢はさらに混迷を深めている。ドル高の動きが続く中で、ドル円も一時160円台半ばまで上げ幅を広げていた。 トランプ大統領からの「イラン合意はあり得ると思う」といった発言や、日本の財務省からの従来よりも強めの口先介入などもあり、ドル円は一旦159円台に値を落とした格好。ただ、ドル自体は買いが続き、上向きの流れは継続している。 一部からは、ドル円は160円付近で高ボラティリティーが続く公算が大きいとの指摘が出ていた。市場は2つの対立する力のバランスを取っていると指摘。1つは金利差とドルの強さに支えられている一方、もう1つは、日本の政策行動リスクの高まりが重しとなる可能性があるという。 介入については、短期間で急激な調整につながる可能性があり、160円超の水準が一時的な上限として機能する可能性はある。しかし、根本的なファンダメンタルズが大きく変化しなければ、中期的には上昇トレンドが維持されると見ているという。 なお、本日はパウエル議長の発言が伝わり、短期金融市場では年内利上げ観測が完全に後退。ただ、為替市場はドル高が続いていた。議長は「FOMCは2%のインフレ目標を達成するだろう。インフレ目標を一定期間達成していないことを留意している」と述べていた。 ユーロドルは1.1445ドル付近まで一時下落し、4日続落。本日は欧州委員会が企業調査を公表していたが、エネルギー危機はまだユーロ圏の企業活動に深刻な打撃を与えていないようだ。調査では、小売は小幅に低下したものの、産業、サービス、建設セクターのセンチメントはほとんど変わらず。これはGDPが前期比で0.4%程度上昇することと整合的で、3月のPMIが示唆していたよりも良好だとの指摘もエコノミストから出ている。 消費者信頼感は急落したが、エネルギー価格上昇が経済の他の分野に波及していると示唆するにはまだ時期尚早だという。同エコノミストはまた、ECBはサービスセクターでより大きな動きがないことに勇気づけられるかもしれないとも述べた。これはユーロ圏の利上げの根拠を弱める。 ポンドドルも1.31ドル台に下落。サポートとなっていた3月13日の安値水準をブレイクしており、下値警戒感を強めている。1.30ドルを試す動きになるか注目される。 中東戦争の影響を受け、英景気は後退リスクにさらされているとの指摘がアナリストから出ている。英国は軽度の景気後退に陥る無視できないリスクに直面しているという。同アナリストによると、経済成長は弱く、失業率は複数年ぶりの高水準である5.2%に達している。一方、エネルギー価格上昇によるインフレ圧力があるため、英中銀は景気下支えのための利下げを行いにくい状況にある。 また、英財政状況は悪化しており、エネルギーコスト上昇の中で家計支援を行う余地も限られているという。さらに、エネルギー価格の高止まりにより英中銀が利上げを余儀なくされれば、英国が軽度の景気後退に陥るリスクは一段と高まるとも指摘した。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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