【前週のレビュー】ニューヨーク原油5月限は米国とイランの2週間の停戦合意で暴 落。8日に91.05ドルの安値を付けた後は反発して9日には一時的に100ドル台 を回復する場面があったがその後は再び反落。チャート上は再び下値トライとなる可能 性が高まっているが、それも材料次第のため、中東の戦況報道に一喜一憂する展開が続 きそうだとした。 【NY原油は乱高下続く】 ニューヨーク原油5月限は21日に納会するため、6月限が指標限月となるが、当限 の5月限に比べると、値動きはやや抑えられて、直近の安値は15日の84.70ドル までで、8日の安値83.80ドルを下回らずに反発して、16日には91.82ドル の高値まで急反発した。ただ、本稿執筆時点の17日には再び90ドル台を割り込み、 89ドル台後半で推移している。 大局的には、2月末の米国とイスラエルのイラン攻撃以降、80ドル台後半〜100 ドルとび台前半(ともに10ドル単位)のコアレンジとして乱高下を繰り返しており、 現在はそのレンジの下方エリアに位置している。17日が新月のため、その1営業日前 の16日に目先の安値を付けたか否かに注目したい。 材料的には、11日に仲介国であるパキスタンのイスラマバードで実施された米イラ ン協議が不調に終わったことで、週明けのアジアの時間帯に再び急騰したものの、交渉 自体は継続されるためその日のうちに上げ幅を失う急落となった。そのあと米国がホル ムズ海峡の「逆封鎖」を宣告するなど緊迫化する場面もあったが、ここにきて一時停戦 の2週間延長や、米国とイランの再協議の実施が検討されていることが報じられて、和 平に向けた期待も高まって来た。なお、再協議の日程は公式には発表されていないが、 パキスタンで18〜19日の週末にも実施可能という報道がある。和平合意ならトラン プ米大統領自ら平和協定の調印にパキスタン入りする意向も見せている。 この日程は確定したわけではないが、週明けのアジアの時間帯は再び大きく動いて始 まりそうな気配となっている。 英BBCの報道によると、国際エネルギー機関(IEA)のピロル事務局長は16 日、欧州の航空燃料があと6週間分しか残っておらず、供給障害が続けば、今後航空機 の欠便が頻発する可能性を警告した。 IEAの月報では、欧州が中東からの輸入の50%を代替して供給できなければ、6 月に在庫不足には陥る可能性があるという。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は3月末からの反発もここに来て上値 が抑えられてきたが、4万8000ドル台を維持している。 ドルインデックスは4月上旬から続いた軟調地合いも98ポイント割れでは下げ渋り 模様となり、直近は98ポイント台前半で推移。 【大手トレーダー、ヴィトールが石油取引で数億ドルの損失】 独立系としては世界最大級の石油トレーダーであり、米国がベネズエラ侵攻して同国 産原油を押収した際、販売会社にも選ばれていたヴィトールが今回の原油高騰のなか、 数億ドル単位の損失を出したことが報じられている。 損失の原因は、ディーゼル価格がジェット燃料価格より上昇すると見ていたことと、 ドバイ原油の上昇がブレント原油のそれより抑えられると予想していたこととされてい る。ドバイ原油は3月に過去最高となる169.75ドルを記録している。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である9月限は8万5000円が上値抵抗となるなか、21日移動 平均線でもあるボリンジャーバントの中心線(8万2930円辺り)を挟んだもみ合い となっている。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油6月限は下落もボリンジャーバントの−2シグマ(84.58ドル 辺り)で支えられる形で反発して、直近はボリンジャーバントの中心線(92.00ド ル辺り)を試す展開。 ブレント原油6月限は100ドル台割れ後はボリンジャーバントの−1シグマ (96.31ドル辺り)を挟んだもみ合いだったが、直近は再び100ドルの節目を伺 う展開。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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