【NY金6月限は強弱材料に挟まれ4800ドル前後で高下か】 NY金6月限は4月17日に4900ドル台に達する動きが見られたが、4700ド ル割れは買い拾われ、下値堅い動きとなっている。21日は米国とイランの停戦期限の 22日を終えるまでに和平協議を再開するのは困難、との見方から大きく値を崩した が、翌22日は反発。トランプ米大統領がイランとの停戦延期を発表したことが買い支 援要因となった。 ただ、この日は4790.8で頭打ちとなり、4800ドル台に達するに至っておら ず、上昇に対する警戒感も同時に窺わせている。 トランプ米大統領はイランとの停戦期間を発表しながらも、米国とイランとの間で和 平協議が合意に至るまでの間の措置として新たに期限が設定されていない。また、この 停戦期限の延期に関してイラン側は停戦要求を否定しており、双方の発表に食い違いが ある。 また、ホルムズ海峡のイランによる事実上の封鎖が続けられているうえ、米軍はホル ムズ海峡周辺海域で船舶の封鎖や拿捕が行われており、ホルムズ海峡の開放の見通しも 立っていない。 このホルムズ海峡の封鎖はエネルギー価格を再び引き上げる結果をもたらしている。 NY原油6月限は4月7日に100ドル台に再到達する場面を見せた後は90ドル前後 で推移。米国とイランの和平協議再開期待が高まった17日に78.97ドルと3月 11日以来の水準まで値を落とす場面も見られたが、22日に終値ベースで90ドル台 まで浮上している。 世界の原油及び液化天然ガスの約2割が通過するホルムズ海峡の封鎖によってエネル ギー供給の引き締まりが促され、これが原油価格の高騰を招いている状況が続いている ことは、インフレ高進や個人の購買力の低下という影響をもたらし得る。実際、米国の 3月小売売上高は前月比で+1.7%で事前予想の+1.4%を上回る伸びを見せた が、その主因はガソリンスタンドの伸び率が前月比で+15.5%と大幅に上昇したこ とにある。 また、食料品も前月比+0.9%を記録したが、その他雑貨は—0.9%、衣料品や スポーツなどは横ばいにとどまっている。つまり、米国とイランの戦争およびこれに伴 うホルムズ海峡の封鎖が原油価格を押し上げた結果、個人ベースの消費価格は上昇して いるものの、それ以外の項目については伸び悩んでいるのが現状となっている。 すでに4月も下旬を迎えているが、4月に入ってからも原油の高止まりが続いている ことで、引き続きガソリン価格の高止まりが主導する中での小売売上高の上昇が続く可 能性がある。 3月の米雇用統計で雇用者数は事前予想を上回る伸びを見せた。一方で平均時給は伸 び悩んでいた。3月消費者物価指数が前年同月比で+3.3%を記録するインフレ高進 傾向を示すなかでの賃金の伸び悩みは、高止まりするエネルギー価格以外への支出を引 き締め、その結果、米国全体の経済成長が伸び悩む恐れが高まっていると見られる。 NY金は米国とイランの和平協議再開の見通し不透明感が強いなか、中東情勢を睨ん での一進一退の動きが続く可能性が高いと見られるが、原油価格の高騰を受けて高まる 世界経済不安は安全資産を求める動きとなり、金価格を下支えする要因になってくると 予想される。ただ、その一方で米国での利下げ観測の後退は上値を抑制する要因になっ てくると予想される。 イラン情勢やこれを受けた米経済への影響が根強い安全資産を求める動きを刺激する 一方、利下げ観測や有事のドル買いの動きは引き続きNY金の重石になってくると見ら れるだけに、NY金6月限は引き続き4800ドル前後で高下することになりそうだ。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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