ドル高が優勢 米CPIは年内据え置き正当化 ドル円は東京時間の下げを完全に戻す=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル高が優勢 米CPIは年内据え置き正当化 ドル円は東京時間の下げを完全に戻す=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル高が優勢となる中、ドル円は東京時間の急落を完全に取り戻した。この日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)は予想を若干上回る内容だった。FRBの年内据え置き観測を正当化する内容とも見られ、米国債利回りが上昇していたことから、ドル円も買い戻しが優勢となった。

 本日の円相場は東京時間に急伸する場面が見られた。ドル円は一時157.75円付近から156.80円付近まで短時間に急落。ベッセント財務長官が来日しており、片山財務相との会談を行った直後の動きで、日本の当局の介入とも思われる。

 ただ、日本の当局も連休中と同様に、下に押し込む介入までは行っていないようで、160円に向かわないよう上値を抑えるのに留めている印象。ドル円はすぐに買い戻される展開となっている。

 ストラテジストからは「4月30日以降に見られた変動と比べれば特別大きいものではない。ただ、市場では片山財務相とベッセント財務長官の会談に関するニュースや、円相場の管理を巡る日米の暗黙の協調継続との見方が意識された動きだと見ている」との指摘も出ていた。ただ、イラン情勢にメドがつき、ホルムズ海峡と原油市場が正常に戻るまでは、本格的な円高の流れは期待できそうにない。

 なお、米上院は本日、ウォーシュ氏のFRB理事への就任について承認した。任期は14年。明日FRB議長就任に関して採決を実施する見通し。承認はほぼ確実視されている。

 ユーロドルは戻り売りに押され、一時1.17ドル台前半に値を落とす展開。1.17ドル台後半まで上昇していたが、1.18ドルは回復できずに一旦後退した格好。一方、ユーロ円は東京時間に介入観測で184円台に下落していたものの、185円付近に戻す展開。底堅さは堅持しており、21日線と100日線の間での推移が続いている。

 市場ではECBの6月利上げの可能性を高めており、短期金融市場では87%程度の確率で利上げが織り込まれている。本日はECB理事のパツァリデス・キプロス中銀総裁のインタビューが伝わっていたが、インフレリスクの高まりを受け、6月の理事会で利上げが必要になる可能性があるとの見方を示していた。

 「現状を見る限り、状況は悪化している。従って、利上げの方向に向かっている。持続的な物価上昇はコアインフレへの波及リスクを高める」と述べていた。一方、6月に利上げを実施したとしても、それが新たなサイクルの開始を意味するわけではないとも強調。明日はラガルド総裁の講演が予定されているが、何らかのメッセージを示唆するか市場は注目している。

 ポンドドルは1.35ドル台前半に一時下落。21日線を再び下回っており、1.3480ドル付近に来ている100日線が目先の下値メドとして意識される。一方、ポンド円も一時212円台に下落する場面が見られた。上値では日本の当局による円買い介入への警戒感が強い中、ポンド円は21日線と100日線の間での推移が続いている状況。

 先週の地方選挙で与党・労働党が大敗したことを受け、スターマー英首相への辞任圧力が強まる中、ポンドは下げ幅を拡大する可能性があるとの指摘が出ている。久しぶりに政治のリスクプレミアムが浮上しているが、ポンドにはマイナスプレミアムを積み上げる余地が十分にある中、スターマー首相の後任として最も可能性の高い候補者は誰なのかに、関心が移る公算もあると述べている。

 また、政治的緊張は数カ月続く可能性もあり、その不確実性から投資家の信頼を損なう局面もあり得るとの指摘も出ている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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