<金> NY金8月限は8日の週を迎えてから軟化傾向を強め、10日に昨年11月上旬以来 となる4090.1ドルまで値を落としたのに続き、11日も4046.2ドルを記録 し、直近の安値を更新している。 5月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比で+4.2%を記録し、3年ぶりの 高水準となったことでインフレ高進に対する警戒感が強まると同時に、浮上している年 内利上げ観測がさらに高まった。 5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は事前予想の+8万人の2倍以上の+17万 2000人を記録するなど予想を上回る好調となった。 インフレ高進による経済への悪影響が確認できるようであれば、利上げの実施には至 らないと予想されるが、人工知能(AI)関連企業の好業績とこれを受けたAI投資の 活発化は好調な米雇用や製造業の要因になっている。 また、トランプ米大統領が11日には予告していたイランへの攻撃停止を発表したこ とで原油価格が下落したことや、米国とイランの停戦協議の進展期待を高める要因にな っている。 原油価格の下落はインフレ高進懸念を和らげるが、米雇用と製造業の好調が続くなか でのインフレ高進一服は消費の活発化を促す要因となり得る。そうなれば米連邦準備理 事会(FRB)にとって利上げを実施する根拠が増える一方、金利による差益を産まな いとされる金にとって上値が抑制される可能性が強まることになる。 米国とイランの戦争に関しては米国によるイラン攻撃直後の3月上旬の高騰ですでに 織り込み感が強く、安全資産としての金需要を刺激する要因には至っていない。 その一方で原油価格の高騰が続きながらも堅調を保つ米経済および雇用、そしてイン フレ高進を受けた米国債の金利の上昇や、FRBの利下げ観測といった弱材料が意識さ れる状況が続いている。 既に昨年11月上旬の水準まで値を落としているが、ここから地合いを引き締める 手がかりには乏しく4200ドル台からは上値が重くなると予想する。 <銀> NY銀7月限は8日の週を迎えると金の軟調に追随安となり、11日に今年3月23 日以来の低水準となる6159.5セントまで値を落とした。 産業用としての銀需要の根強さが想定されるものの、7500セントを支持線として の高もみが続いたことで、強気材料に織り込み感が強まっている。 すでに太陽光発電などの産業用需要の増加観測が織り込まれる一方で、価格の高騰が 需要を縮小する一方で鉱山生産を刺激する可能性があることも上値抑制要因。 チャート面の弱さやNY金の頭重い動きからも、目先は6700セント前後での往来 継続が見込まれる。 <白金> NY白金7月限りは6月5日に大きく値を崩したが、8日の週を迎えた後も軟調地合 いを引き継ぎ、11日の取引では3月23日以来の安値となる1641.3ドルを付け た。 今年1月〜3月期は価格高騰が影響し需要が減退していた様子がワールド・プラチ ナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の発表で明らかとなった。 人工知能(AI)関連企業は好業績をあげており、今後も活発な設備投資が行われる ことが見込まれるが、価格の高騰による需要の減少が確認できたことが上値抑制要因に なってくると見られる。 NY金の頭重い動きも弱材料となるなか、1800ドルが抵抗線とした意識されよ う。買い方は1750ドルの節目超えが出来るかに注目。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は5日から8日にかけて下落。その後は1200ドルを下値支 持線にしての小動きが続いている。 独自の要因に乏しいなか、他貴金属の頭重い動きに上値を抑制され、1250〜 1350ドルのレンジ内での高下が続くと予想される。 MINKABU PRESS
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