米大手証券はキャリー取引について、ここ20年余りで最も魅力的な投資環境が整っているとの見方を示している。米大手証券のストラテジストはレポートで、G10通貨はキャリー戦略への投資妙味が2000年以降でほぼ最高水準にあると指摘し、今後数カ月は、円とスイスフラン、ユーロを調達通貨として利用する取引を選好すると明らかにした。 主要先進国の金利水準が高止まりしつつも、国ごとの差も大きく、投資家にとって利回り格差が異例の水準にまで拡大している。 一方、為替相場のボラティリティも歴史的な低水準に落ち着いており、2020年以降最低の水準に近いという。 G10通貨のキャリー取引は今年約8%のリターンを上げ、グローバル債券や金、ビットコインを上回っている。 ただ、株式市場のパフォーマンスには及んでいない。G10の金利がこのレンジで安定し、金利差に起因する実現ボラティリティーが低下していることに加え、今後は政策変更も比較的限定的と見込まれることが、キャリー取引による高い収益と低ボラティリティーの共存を可能にしているという。 ヘッジファンドや資産運用会社は金利差を収益源とするキャリー取引を活用しており、為替相場が概ね安定している限りにおいては、その恩恵に預かれる。 ただ、この戦略は時間をかけて積み上がる一方、急変には弱い。一部からは、現在の為替市場の落ち着きは、世界経済を巡る高い不確実性と整合していないとの警告も出ている。今後はボラティリティーが低下するよりも上昇する公算が大きいと分析している。 米大手証券は中長期的に、円が最も有力な調達通貨の候補だとしている。円は対ドルで約40年ぶりの安値圏で推移しており、日本の当局による為替介入への警戒感は常にあるものの、マクロ経済環境に変化がない限り、円安基調は続くと予想している。 USD/JPY 161.71 EUR/JPY 184.61 GBP/JPY 216.65 AUD/JPY 112.42 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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