【来週の注目材料】今後の金融政策動向をにらみ、米物価統計に注目=米CPI

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【来週の注目材料】今後の金融政策動向をにらみ、米物価統計に注目=米CPI

 14日に9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。先月15日、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で約3年ぶりとなる利上げを実施した米国。FOMCでのタカ派姿勢もあって、一時は10月のFOMCでの連続利上げの期待が広がり、9月28日には短期金利市場での利上げの織り込みが70%に達する展開が見られました。その後、8月の米個人消費支出(PCE)価格指数の弱い伸びや、9月の米雇用統計の弱い結果を受けて利上げ期待が後退し、現状では据え置き見通しが80%を超える状況となっています。ただ12月までには利上げを行うとの見方が80%を超えており、さらに来年3月までに2回以上の利上げを実施するとの見方が70%を超えるなど、利上げサイクルの継続見込みが広がっています。市場の見通し通り、米国が利上げを続けていくかどうか、その大きなカギを握る物価の動向に市場の注目が集まっています。

 前回8月の米CPIは前年比+3.4%と7月から横ばい、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+2.4%と7月の+2.5%から小幅鈍化となりました。ともに市場予想通りです。前月比は+0.4%と7月の+0.1%から伸びが加速、コア前月比は+0.3%と7月の+0.2%から小幅ながら伸びが強まっています。前月比もともに市場予想通りとなりました。

 内訳を確認すると、伸びていたのが中東情勢を受けた原油高からのエネルギー価格。ガソリンが前年比+27.4%(7月+24.6%)、エネルギー全体では+16.3%(7月+14.7%)となり、全体を押し上げました。食料品は前年比+2.7%と7月の+3.0%から伸びが鈍化。卵、乳製品、ノンアルコール飲料などの上昇が見られるものの、サイクロスポーラ感染症の影響で需要が鈍化しているレタスの大幅な値下がりもあり、青果の価格が低下、肉、魚なども伸びが抑えられています。
コア項目では、財が+0.7%と7月の+0.8%から伸びが小幅に鈍化。中古車が8か月連続でのマイナス圏となる-2.3%となり、7月の-1.9%から下落率も拡大。関税の影響もあって高い伸びが見られるアパレルは+3.6%と高水準ながら7月の+3.9%から伸びが鈍化しており、全体を抑える形となっています。
コアサービスは+3.0%で7月から横ばいとなりましたが、住居費を除くコアサービスが+3.1%で7月の+3.0%から小幅に伸びが強まり、住居費とエネルギーサービスを除いたスーパーコアは+3.0%と7月の+2.8%からしっかりと伸びる状況となりました。国内要因が強いコア部分のサービス価格の上昇は物価高への警戒につながっています。

 今回の予想は前年比+3.6%、コア前年比+2.5%でともに8月を超える伸びが見込まれています。米国とイランの対立が長期化する中で、原油高からのガソリン価格の上昇が継続。9月の米国のガソリン小売価格は、EIA(エネルギー情報局)による全米全種平均で1ガロン当たり4.491ドルと8月の4.192ドルから前月比で7.1%の上昇。前年比でみると7月の+28.7%から+36.4%まで上昇しています。CPIは都市部のみのデータとなるため、全米が対象のEIAのデータと完全には一致しませんが、傾向はほぼ同じとみられるため、ガソリン価格およびエネルギー価格全体の上昇が総合指数を押し上げるとみられます。

 またガソリン価格の上昇は流通などのコスト上昇につながるため、コア項目にも影響が出ます。コアの伸びが予想を上回った場合、10月の利上げ期待の再燃などを招く形でドル高になる可能性には留意したいところです。一方、前回の前年比+3.0%と7月の+3.2%から鈍化した住居費の動きにも要注意です。ここにきて米長期金利の上昇から米住宅ローン金利の上昇が加速傾向となっています。フレディーマック(連邦住宅抵当貸付公社)が公表する30年固定金利は9月に7%を超え、最新で7.4%となっています。7月は6.4%台、8月は6.6%台が中心となっていましたので、かなりの上昇傾向です。これにより住宅販売の鈍化から、住居費が抑えられている可能性があります。住居費はCPI全体の35.3%、コアCPIの44.6%を示す最大の項目だけに要注意です。

 なお、15日には9月の米生産者物価指数(PPI)と小売売上高が発表されます。PPIの市場予想は前年比+5.3%、コア前年比+4.4%と8月の+5.3%、4.4%から小幅鈍化となっています。CPIに比べると注目度は低いですが、予想からの乖離には要注意です。小売売上高は前月比+0.3%、変動の激しい自動車を除くコア前月比が+0.5%と8月の+1.1%、1.3%からの大幅鈍化が見込まれています。ガソリン価格の上昇でガソリンスタンド売り上げの増加が見込まれる中での大幅な伸び鈍化となっています。8月の数字が強すぎた分の調整という面がありますが、相関する雇用統計の弱さもあって厳しさが意識されています。予想以上に弱く出た場合は要注意です。

MINKABUPRESS 山岡

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