【来週の注目材料】米CPI&米PPI CPIは前月比でやや伸び悩みか 米労働省から10日に10月の米消費者物価指数(CPI)、13日には10月の米生産者物価指数(PPI)が発表される。なお、市場の注目度が最も高いCPI前年比については、2025年10月1日から11月12日まで続いた米連邦政府機関閉鎖の影響で昨年10月分のデータ収集が行われておらず、公表が見送られる点には注意が必要だ(PPIに関しては当初日程からは遅れたもののデータ収集が実施され2025年10月分データが公表されたため前年比が算出される)。 10月の米CPI前月比の市場予想は+0.3%と、9月の+0.6%から伸びが鈍化する見込みだ。食品とエネルギーを除くコアCPI前月比も+0.2%と、9月の+0.3%から小幅な鈍化が予想されている。前回9月はガソリン価格が前月比+9.1%(前年比+34.2%)と急伸し、全体を大きく押し上げた。しかし、米エネルギー情報局(EIA)の小売価格調査を見ると、全米全種平均は9月の1ガロン=4.491ドルから10月は4.449ドルへと0.9%小幅に低下している。CPIは都市部が対象のため数値の一致はないものの、方向性は一致するため、今回はエネルギー関連の押し上げ圧力が一服し、ヘッドラインは抑制されると期待される。 9月CPIの内訳を確認すると、財部門は前年比+0.7%と横ばい圏で落ち着いていた一方、前月比では+0.3%とやや高めだった。AIデータセンターの建設ラッシュなどAI関連投資の拡大を背景に、PC価格やコンピューターチップの上昇圧力が3か月連続で続いており、警戒が必要である。また、サービス部門は前年比+3.1%、前月比+0.4%(8月は各+3.0%、+0.3%)へ加速した。全体の約35%を占める住居費が前年比+3.2%、前月比+0.4%と伸びが強まっていた。住居費の伸びが持続するとコアCPIの基調的な押し上げ要因になる。 続いて13日に発表される10月米PPIだが、前回9月分は前月比+1.3%と2022年3月以来約4年半ぶりの高水準を記録した。前年比も+6.3%と市場予想(+5.3%)を大幅に超過している。CPI同様にガソリン価格が前月比+20.3%、エネルギー全体で+10.8%跳ね上がったことが主因となる。食品・エネルギーを除くコア前月比も+0.7%(予想+0.3%)、コア前年比は+5.0%(予想+4.4%)と上振れた。これは燃料高などを背景に、運輸・倉庫サービスが前月比+3.4%と急伸したことが響いている。 今回の10月PPIは、前月比+0.4%とガソリン価格の小幅反落を反映して伸びが鈍化する見通しだ。一方、前年比は+6.6%と9月から伸びが強まる見込みだ。これは前年(2025年)9月から10月にエネルギー価格が前月比-2.2%下落し、総合指数も+0.1%へ急減速した「前年の裏(ベース効果)」が主因である。コア前月比予想は+0.3%(前年比は+5.0%横ばい予想)とこちらも鈍化傾向だが、燃料安による運輸コスト等への波及緩和が寄与すると見られる。 エネルギー価格の一服があるとはいえ、基調的な物価の高止まりが確認された場合、次回12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた利上げ観測(タカ派姿勢)が再び意識され、為替市場ではドル買いを促す要因となりそうだ。米中間選挙での民主党勝利を受けた原油安や半導体を中心としたAI関連株安などを受けて、12月の米FOMCでの利上げ期待が中間選挙前よりも低下しているだけに、再び利上げ期待が強まると相場への影響も大きくなる可能性がある。 なお、11月1日から米国は冬時間入りしており、発表時刻が前回までの21時半から22時半になっているため要注意。 MINKABUPRESS 山岡
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