経済指標的にはそれほど重要なものはなく、長期の休場明けとなるトルコ情勢や、一気に強まった米国と南アの緊張、 米国とメキシコ、さらにはカナダを含むNAFTA再交渉など、政治状況が相場に影響を与える展開が続くとみられる。 トルコリラ安ドル高に端を発した新興国通貨売りの動きが続き、南アランド、インドルピーなど新興国通貨全般に売りが広がる展開の中、先週末に南ア中銀副総裁がランド安がもたらす物価上昇に対応すると発言するなど、各国は神経質に情勢を見守っている。 元凶となったトルコに関しては、拘束中の米国人牧師の問題が未解決で米国との対立構造は継続。 トルコ市場が休場の中で動きが収まっていたが、休み明け、再び動きが強まる可能性も意識される。 なお、経済指標の中での注目を上げるとすると、30日に発表される米PCEデフレータ(7月)。 9月及び12月のFOMCでの利上げが期待される中、9月の利上げ前の米国の物価統計への注目が集まる。 米FRBの二大責務のうち、雇用の最大化はほぼ達成している状況だけに、利上げのカギを握っているのは物価動向。 10日に発表された米消費者物価指数は総合が予想及び前回地と同じ前年比+2.9%の好結果。食品・エネルギーを除くコアは前年比+2.4%と予想及び前回を超える好結果となった。 インフレターゲットの対象であるPCEも同様に強めの数字が見込まれており、予想は前年比+2.3%、同コア+2.0%とそれぞれ前月から0.1%ポイントの上昇予想となっている。 代替品の取り扱いなどの差異からPCEはCPIに比べて水準的には低めにでるが、総合・コア共に伸びていること、コアの前年比がインフレターゲットの2.0%に届いていることなどが好材料。 予想通りもしくはそれ以上の数字が出てくると、ドル買いの動きにつながる可能性も。特にコアPCEがインフレターゲットに届くという見通しはドル買いに安心感を与えそう。ドル円は112円台回復に向けての動きが強まるとの期待も。 米国の利上げについては9月がほぼ織り込み済みとなっているが、12月の利上げについては消極的な見方も多くみられる。 物価上昇傾向が著しくみられるようだと12月の利上げを織り込みに行く動きが広がり、ドル買いとなりそう。 米PCE以外では、29日の米2四半期GDP改定値や28日の米コンファレンスボード消費者信頼感指数などが少し注目を集めそうだが、予想から大きくずれない限り、相場への影響は限定的か。 minkabuPRESS編集部山岡和雅
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