原油反発。中東情勢の悪化懸念などで。93.63ドル/バレル近辺で推移。
金反落。米10年債利回りの反発などで。4,317.10ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,600元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年11月限は743.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2,551.10ドル(前日比18.70ドル縮小)、円建てで13,600円(前日比35円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月24日 17時02分時点 6番限)
金 22,382円/g
白金 8,782円/g
ゴム 451.8円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「多様性のパラドックスとマイナス面」
前回は、「2026年後半は上昇圧力優勢か」と題して、2026年後半の原油市場を取り巻く環境について、述べました。
今回は、「多様性のパラドックスとマイナス面」と題して、「多様性」の変遷・パラドックスについて、述べます。
前回までの数回で、足元の原油相場を取り巻く環境を確認しました。NY原油先物相場の推移を確認すると、2026年2月末に中東情勢が悪化して以降、原油相場は大きく上昇したことが分かります。急騰後は反落したものの、足元では筆者が考える70~110ドル程度の「戦時下のレンジ」で推移しています。
米国の金融政策、中東情勢、米国の原油在庫、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡を巡る情勢、OPECプラスの減産の方針などをきっかけとした、複数の上昇・下落の圧力がかかった状態が続いています。上下双方の強い圧力に挟まれていることによって、「戦時下のレンジ」が形成されているといえます。
2000年からのNY原油先物相場の推移を確認します。2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック、2022年のウクライナ戦争勃発など、原油相場はさまざまな材料がもたらす圧力を受けて推移してきました。
そして2026年のイラン戦争勃発を機に「戦時下のレンジ」で推移しています。このレンジは一時的なものなのでしょうか。それとも長期化するのでしょうか。この問いを考えるには、原油の需給だけでは不十分です。
背後で起きている、長期視点の社会的な変化に目を向ける必要があります。この点を考察するに当たり、欠かせないポイントが「2010年ごろ」です。教育、情報、技術、政治、民主主義などで起きた変化が、現在の世界分断や武力衝突につながっている可能性があります。今回と次回で、原油相場を長期視点で支える「土台」について、考えます。
経済協力開発機構(OECD)が実施する世界の15歳の子供の学習到達度調査(PISA)の結果を確認します。今月、2025年に行われたPISA2025の結果が公表されました。OECD平均を見ると、読解力は2012年ごろ、科学的リテラシーは2009年ごろを境に低下傾向が目立ち、数学的リテラシーも2018年以降に低下しています。
PISA2025では、読解力が466、数学が469、科学が486となり、いずれも過去最低水準となりました(OECD-23の平均より)。2009年から2025年までに読解力は27ポイント、数学についても27ポイント低下しています。日本は2025年も三分野で上位に位置していることから、世界の全ての国で一様に学力が低下しているわけではないことに、留意が必要です。
筆者がPISAに注目する理由は、民主主義と関係があると考えているためです。民主主義では、多くの情報を読み、異なる意見を比較し、時間をかけて考え、自ら判断することが求められます。
PISA2025では、長い文章や複数の情報を統合して考える課題で成績低下が確認されたほか、早く答えて間違える傾向や、粘り強く課題に取り組む姿勢の弱まりも指摘されています。OECDは、原因は一つではなく、読書習慣、デジタル機器の利用、学校の出欠席状況、家庭からの支援、コロナ禍の影響など、複数の要因を挙げています。
学力低下が民主主義後退を直接引き起こしたと断定することはできないものの、SNSやAIの普及によって情報だけでなく即時的な刺激を得やすくなり、世界中の人々の「熟考・比較・判断」を取り巻く環境が変わったことは、民主主義のあり方を考える上で無視できないと筆者は考えています。
こうした流れの延長線上に、戦争勃発・拡大、資源武器利用の横行があると、考えられます。
V-Dem研究所(スウェーデン)が公表する、世界の自由民主主義指数の推移を確認します。第2次世界大戦後、世界では民主化の潮流が起き、同指数が上昇しました。冷戦終結後も指数は上昇したものの、2010年ごろから下落に転じました。2025年は、冷戦期と同等の0.273まで低下しました。
同研究所の2026年版報告書では、2025年末時点で世界の87カ国が民主主義(自由民主主義+選挙民主主義)、92カ国が権威主義(選挙権威主義+閉鎖的権威主義)に分類され、世界人口の74%が後者に暮らしているとしています。V-Dem(研究所)という一つの機関による分類ではありますが、民主主義を取り巻く世界的な変化を示す大変に重要な材料です。
なぜ、こうした変化が起きたのでしょうか。筆者は一つの視点として「多様性のパラドックス」が挙げられると考えています。以下の図に示した通り、かつて同質性を重視した社会は、多様性を容認し、尊重する方向へ進みました。これは異なる価値観や生き方を認めるという意味で、大きな前進でした。
一方、多様性を重視する動きは、尊重されるべき存在を細分化する動きにつながりました。このことは、社会全体で共有する価値の細分化につながったといえます。それぞれの集団が自らの価値観を主張し、SNSによって同じ考えを持つ人々が結び付けば、社会の陣営化や分断が促されることは、ごく自然な流れだといえます。
もちろん、多様性が戦争を生むという意味ではありません。多様性の尊重がもたらすプラス面と、共通価値を形成しにくくなるというマイナス面を同時に見る必要があります。ただ、多様性のマイナス面が、陣営化の先にある、対立の先鋭化や新しい意味を持った戦争勃発・拡大のきっかけになる可能性を否定することはできないでしょう。
図:「多様性」の変遷・パラドックス

出所:各種情報を基に筆者作成
金反落。米10年債利回りの反発などで。4,317.10ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,600元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年11月限は743.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2,551.10ドル(前日比18.70ドル縮小)、円建てで13,600円(前日比35円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月24日 17時02分時点 6番限)
金 22,382円/g
白金 8,782円/g
ゴム 451.8円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「多様性のパラドックスとマイナス面」
前回は、「2026年後半は上昇圧力優勢か」と題して、2026年後半の原油市場を取り巻く環境について、述べました。
今回は、「多様性のパラドックスとマイナス面」と題して、「多様性」の変遷・パラドックスについて、述べます。
前回までの数回で、足元の原油相場を取り巻く環境を確認しました。NY原油先物相場の推移を確認すると、2026年2月末に中東情勢が悪化して以降、原油相場は大きく上昇したことが分かります。急騰後は反落したものの、足元では筆者が考える70~110ドル程度の「戦時下のレンジ」で推移しています。
米国の金融政策、中東情勢、米国の原油在庫、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡を巡る情勢、OPECプラスの減産の方針などをきっかけとした、複数の上昇・下落の圧力がかかった状態が続いています。上下双方の強い圧力に挟まれていることによって、「戦時下のレンジ」が形成されているといえます。
2000年からのNY原油先物相場の推移を確認します。2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック、2022年のウクライナ戦争勃発など、原油相場はさまざまな材料がもたらす圧力を受けて推移してきました。
そして2026年のイラン戦争勃発を機に「戦時下のレンジ」で推移しています。このレンジは一時的なものなのでしょうか。それとも長期化するのでしょうか。この問いを考えるには、原油の需給だけでは不十分です。
背後で起きている、長期視点の社会的な変化に目を向ける必要があります。この点を考察するに当たり、欠かせないポイントが「2010年ごろ」です。教育、情報、技術、政治、民主主義などで起きた変化が、現在の世界分断や武力衝突につながっている可能性があります。今回と次回で、原油相場を長期視点で支える「土台」について、考えます。
経済協力開発機構(OECD)が実施する世界の15歳の子供の学習到達度調査(PISA)の結果を確認します。今月、2025年に行われたPISA2025の結果が公表されました。OECD平均を見ると、読解力は2012年ごろ、科学的リテラシーは2009年ごろを境に低下傾向が目立ち、数学的リテラシーも2018年以降に低下しています。
PISA2025では、読解力が466、数学が469、科学が486となり、いずれも過去最低水準となりました(OECD-23の平均より)。2009年から2025年までに読解力は27ポイント、数学についても27ポイント低下しています。日本は2025年も三分野で上位に位置していることから、世界の全ての国で一様に学力が低下しているわけではないことに、留意が必要です。
筆者がPISAに注目する理由は、民主主義と関係があると考えているためです。民主主義では、多くの情報を読み、異なる意見を比較し、時間をかけて考え、自ら判断することが求められます。
PISA2025では、長い文章や複数の情報を統合して考える課題で成績低下が確認されたほか、早く答えて間違える傾向や、粘り強く課題に取り組む姿勢の弱まりも指摘されています。OECDは、原因は一つではなく、読書習慣、デジタル機器の利用、学校の出欠席状況、家庭からの支援、コロナ禍の影響など、複数の要因を挙げています。
学力低下が民主主義後退を直接引き起こしたと断定することはできないものの、SNSやAIの普及によって情報だけでなく即時的な刺激を得やすくなり、世界中の人々の「熟考・比較・判断」を取り巻く環境が変わったことは、民主主義のあり方を考える上で無視できないと筆者は考えています。
こうした流れの延長線上に、戦争勃発・拡大、資源武器利用の横行があると、考えられます。
V-Dem研究所(スウェーデン)が公表する、世界の自由民主主義指数の推移を確認します。第2次世界大戦後、世界では民主化の潮流が起き、同指数が上昇しました。冷戦終結後も指数は上昇したものの、2010年ごろから下落に転じました。2025年は、冷戦期と同等の0.273まで低下しました。
同研究所の2026年版報告書では、2025年末時点で世界の87カ国が民主主義(自由民主主義+選挙民主主義)、92カ国が権威主義(選挙権威主義+閉鎖的権威主義)に分類され、世界人口の74%が後者に暮らしているとしています。V-Dem(研究所)という一つの機関による分類ではありますが、民主主義を取り巻く世界的な変化を示す大変に重要な材料です。
なぜ、こうした変化が起きたのでしょうか。筆者は一つの視点として「多様性のパラドックス」が挙げられると考えています。以下の図に示した通り、かつて同質性を重視した社会は、多様性を容認し、尊重する方向へ進みました。これは異なる価値観や生き方を認めるという意味で、大きな前進でした。
一方、多様性を重視する動きは、尊重されるべき存在を細分化する動きにつながりました。このことは、社会全体で共有する価値の細分化につながったといえます。それぞれの集団が自らの価値観を主張し、SNSによって同じ考えを持つ人々が結び付けば、社会の陣営化や分断が促されることは、ごく自然な流れだといえます。
もちろん、多様性が戦争を生むという意味ではありません。多様性の尊重がもたらすプラス面と、共通価値を形成しにくくなるというマイナス面を同時に見る必要があります。ただ、多様性のマイナス面が、陣営化の先にある、対立の先鋭化や新しい意味を持った戦争勃発・拡大のきっかけになる可能性を否定することはできないでしょう。
図:「多様性」の変遷・パラドックス

出所:各種情報を基に筆者作成
