[Vol.2301] 2026年後半は上昇圧力優勢か

著者:吉田 哲
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原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。101.47ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。4,414.87ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は18,670元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年11月限は728.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,599.87ドル(前日比5.53ドル縮小)、円建てで13,867円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月18日 18時33分時点 6番限)
22,894円/g
白金 9,027円/g
ゴム 432.1円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「2026年後半は上昇圧力優勢か」
前回は、「世界の石油在庫も余裕なし」と題して、米国のSPRの推移(2026年9月4日まで)について、述べました。

今回は、「2026年後半は上昇圧力優勢か」と題して、2026年後半の原油市場を取り巻く環境について、述べます。

以下の図のとおり、2026年後半の原油市場は、下落圧力を相殺して余りある上昇圧力が継続し、高止まりする可能性があると、筆者は考えています。下落圧力は存在するものの、上昇圧力が勝る、というイメージです。

こうした上下両方の圧力を生み出すテーマは複数あります。イラン戦争、米国の金融政策、OPECプラスの政策、ホルムズ海峡およびバブ・エル・マンデブ海峡、米国の原油在庫などです。

例えば、原油相場の下落は、米国の利上げ確率を低下させ、後に、株高を通じて原油相場に上昇圧力をかける可能性があります。反対に原油相場の上昇は、米国の利上げ確率を上昇させ、後に、株安を通じて原油相場に下落圧力をかける可能性があります。

OPECプラスの動向も原油相場の動向に影響を与えます。増産は需給を緩和させる思惑を生み、原油相場に下落圧力をかけることがあります(足元、自主減産縮小という名の増産は終了している)。今年11月の会合で協調減産を何らかの形で延長すれば、原油相場に上昇圧力がかかることが想定されます。

また、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡といった重要航路の封鎖リスクが常態化した場合、保険料などの航行コストが恒常的に発生する可能性があります。

米国のSPRの動向も重要です。備蓄の取り崩しは需給ひっ迫を意識させ、原油相場に上昇圧力をかけることがあります。一方、将来的に備蓄の積み増しが加速した場合、新たな需要と見なされ、原油相場に上昇圧力をかけることもあります。

こうした状況から、原油相場は少なくとも年内、「戦時下のレンジ」で推移すると筆者はみています。

ここまでの数回で、原油相場の比較的短期的な視点の動向について、述べました。次回以降の数回で、長期視点の動向について述べます。

図:2026年後半の原油市場を取り巻く環境
図:2026年後半の原油市場を取り巻く環境
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。