原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。92.96ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。4,331.76ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,600元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年11月限は743.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2,566.61ドル(前日比20.61ドル拡大)、円建てで13,646円(前日比70円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月25日 18時41分時点 6番限)
金 22,393円/g
白金 8,747円/g
ゴム 451.5円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「『後戻りできない世界』が原油高」
前回は、「多様性のパラドックスとマイナス面」と題して、「多様性」の変遷・パラドックスについて、述べました。
今回は、「『後戻りできない世界』が原油高」と題して、後戻りすることが難しい事象(筆者イメージ)について、述べます。
前回述べた2010年ごろからの変化について、注目したいもう一つのポイントがあります。「技術のビジネス化」です。情報、医療、宇宙、軍事、芸術、教育、金融という七つの分野について、「かつて」と「現在」を比較します。
例えば、情報は新聞・テレビ・出版からSNS・検索・生成AI・動画配信へ、宇宙は国家プロジェクト中心から民間ロケット・衛星・宇宙通信へ、芸術は人間による創作・流通から生成AI・配信・デジタル制作へ、教育は学校・教師・教科書からオンライン教育・AI・動画・EdTechへと、技術とビジネスが結び付く領域が広がっています。
決して、ビジネス化することを否定しているわけではありません。技術を低コスト化したり、多くの人が利用するきっかけになったりするためです。かつて国家や限られた組織しか利用できなかった技術の一部を、今では企業や個人も利用しやすい環境になりました。
一方で、技術が広く普及したからこそ生じたマイナス面もあります。生成AIによるニセ情報の創作、SNSを使った認知戦・情報戦の拡大、ドローンの軍事利用、サイバー攻撃などがその例です。
「技術のビジネス化」は、社会や軍事、政治のあり方にも変化をもたらしました。こうした変化が目立ち始めた2010年ごろ以降の軍事・一般・政治情勢と、株価や金(ゴールド)の動きを整理します。
SNS、AI、ドローンなど、民間でも利用される技術が普及しました。情報分野では、SNSの普及によって、個人が情報の受け手であると同時に発信者にもなりました。情報が広がる速度が上がった半面、真偽不明の情報が混在しやすくなり、社会の分断を促す情報戦やかく乱・浸透工作にも利用されるようになりました。
軍事分野では、ドローン、SNS、AIなどが積極的に戦略に組み込まれ、「情報戦の拡大」「戦略の変化」「かく乱・浸透・分断工作」を、政治分野ではポピュリズム(人気取り)の横行、クレクレ民主主義・バラマキ政治を拡大させていると考えられます。
筆者は、こうした技術のビジネス化と普及が、世界分断を生んだ唯一の原因だとは考えていません。ただ、技術を国家だけでなく企業や個人なども利用できるようになったことで、既存の対立が増幅するきっかけが増えた可能性は否定できません。
こうした動きは、2010年ごろから拡大しはじめた「非伝統的な有事」に分類される世界の民主主義の後退、世界の分断深化、資源武器利用などに含まれます。これらは、戦争の勃発・悪化、原油供給の減少に結び付く要素です。
前回と今回述べた、学力の低下、多様性のマイナス面、技術のビジネス化は、いずれも長期視点の社会的事象です。そしてこれらは、世界の民主主義後退・分断深化、資源武器利用の横行、さらには戦争の勃発・悪化の遠因になり得る、さらには原油相場を高止まりさせる要因になり得ると、考えられます。
V-Dem研究所によれば、自由民主主義に分類される国は2009年の45カ国から2025年には31カ国へ減少しました。筆者が注目している「2010年ごろ」と合致します。このタイミングから、世界が一つの価値観やルールに近づくという冷戦後の期待とは異なる動きが目立ち始めているのです。
以下の図は、筆者が考える「後戻りすることが難しい事象」をまとめたものです。中東情勢の混迷をきっかけとした、産油国の非西側化、協調減産、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡周辺を航行するタンカー数の低迷、米国の原油備蓄減少などです。
資料では、中東情勢について「殉教者への責任」「国家の威信」「体制維持」「報復感情」といった要素も挙げています。これらは、金利のように政策で反転できるものではありません。積み重なった歴史や国家間の関係、人々の感情が強く関わっているためです。
筆者は、2010年ごろから「長期視点で」、学力の低下、多様性のマイナス面、技術のビジネス化などを背景に、世界で民主主義の後退・分断深化、自国優先、資源の武器利用が起きやすい環境が形成されている可能性があると考えています。
こうした長期視点の流れの中で、イラン戦争やウクライナ戦争が起きた可能性があることを考えれば、原油相場も長期視点で70~110ドル程度の「戦時下のレンジ」が継続する可能性が生じます。
短期的に、要人による期待を増幅させる発言などがきっかけで原油相場が反落する場面があったとしても、長期視点の「土台」が残る限り「戦時下のレンジ」が長期化する可能性があることに、留意する必要があります。
図:後戻りすることが難しい事象(筆者イメージ)

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。4,331.76ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,600元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年11月限は743.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2,566.61ドル(前日比20.61ドル拡大)、円建てで13,646円(前日比70円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月25日 18時41分時点 6番限)
金 22,393円/g
白金 8,747円/g
ゴム 451.5円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「『後戻りできない世界』が原油高」
前回は、「多様性のパラドックスとマイナス面」と題して、「多様性」の変遷・パラドックスについて、述べました。
今回は、「『後戻りできない世界』が原油高」と題して、後戻りすることが難しい事象(筆者イメージ)について、述べます。
前回述べた2010年ごろからの変化について、注目したいもう一つのポイントがあります。「技術のビジネス化」です。情報、医療、宇宙、軍事、芸術、教育、金融という七つの分野について、「かつて」と「現在」を比較します。
例えば、情報は新聞・テレビ・出版からSNS・検索・生成AI・動画配信へ、宇宙は国家プロジェクト中心から民間ロケット・衛星・宇宙通信へ、芸術は人間による創作・流通から生成AI・配信・デジタル制作へ、教育は学校・教師・教科書からオンライン教育・AI・動画・EdTechへと、技術とビジネスが結び付く領域が広がっています。
決して、ビジネス化することを否定しているわけではありません。技術を低コスト化したり、多くの人が利用するきっかけになったりするためです。かつて国家や限られた組織しか利用できなかった技術の一部を、今では企業や個人も利用しやすい環境になりました。
一方で、技術が広く普及したからこそ生じたマイナス面もあります。生成AIによるニセ情報の創作、SNSを使った認知戦・情報戦の拡大、ドローンの軍事利用、サイバー攻撃などがその例です。
「技術のビジネス化」は、社会や軍事、政治のあり方にも変化をもたらしました。こうした変化が目立ち始めた2010年ごろ以降の軍事・一般・政治情勢と、株価や金(ゴールド)の動きを整理します。
SNS、AI、ドローンなど、民間でも利用される技術が普及しました。情報分野では、SNSの普及によって、個人が情報の受け手であると同時に発信者にもなりました。情報が広がる速度が上がった半面、真偽不明の情報が混在しやすくなり、社会の分断を促す情報戦やかく乱・浸透工作にも利用されるようになりました。
軍事分野では、ドローン、SNS、AIなどが積極的に戦略に組み込まれ、「情報戦の拡大」「戦略の変化」「かく乱・浸透・分断工作」を、政治分野ではポピュリズム(人気取り)の横行、クレクレ民主主義・バラマキ政治を拡大させていると考えられます。
筆者は、こうした技術のビジネス化と普及が、世界分断を生んだ唯一の原因だとは考えていません。ただ、技術を国家だけでなく企業や個人なども利用できるようになったことで、既存の対立が増幅するきっかけが増えた可能性は否定できません。
こうした動きは、2010年ごろから拡大しはじめた「非伝統的な有事」に分類される世界の民主主義の後退、世界の分断深化、資源武器利用などに含まれます。これらは、戦争の勃発・悪化、原油供給の減少に結び付く要素です。
前回と今回述べた、学力の低下、多様性のマイナス面、技術のビジネス化は、いずれも長期視点の社会的事象です。そしてこれらは、世界の民主主義後退・分断深化、資源武器利用の横行、さらには戦争の勃発・悪化の遠因になり得る、さらには原油相場を高止まりさせる要因になり得ると、考えられます。
V-Dem研究所によれば、自由民主主義に分類される国は2009年の45カ国から2025年には31カ国へ減少しました。筆者が注目している「2010年ごろ」と合致します。このタイミングから、世界が一つの価値観やルールに近づくという冷戦後の期待とは異なる動きが目立ち始めているのです。
以下の図は、筆者が考える「後戻りすることが難しい事象」をまとめたものです。中東情勢の混迷をきっかけとした、産油国の非西側化、協調減産、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡周辺を航行するタンカー数の低迷、米国の原油備蓄減少などです。
資料では、中東情勢について「殉教者への責任」「国家の威信」「体制維持」「報復感情」といった要素も挙げています。これらは、金利のように政策で反転できるものではありません。積み重なった歴史や国家間の関係、人々の感情が強く関わっているためです。
筆者は、2010年ごろから「長期視点で」、学力の低下、多様性のマイナス面、技術のビジネス化などを背景に、世界で民主主義の後退・分断深化、自国優先、資源の武器利用が起きやすい環境が形成されている可能性があると考えています。
こうした長期視点の流れの中で、イラン戦争やウクライナ戦争が起きた可能性があることを考えれば、原油相場も長期視点で70~110ドル程度の「戦時下のレンジ」が継続する可能性が生じます。
短期的に、要人による期待を増幅させる発言などがきっかけで原油相場が反落する場面があったとしても、長期視点の「土台」が残る限り「戦時下のレンジ」が長期化する可能性があることに、留意する必要があります。
図:後戻りすることが難しい事象(筆者イメージ)

出所:筆者作成
