[Vol.2307] インフレ底上げの背景にハイテク拡大

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化懸念などで。92.76ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,186.34ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は20,095元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年11月限は711.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,470.44ドル(前日比2.64ドル拡大)、円建てで13,254円(前日比38円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月1日 17時24分時点 6番限)
金 21,711円/g
白金 8,457円/g
ゴム 455.4円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「インフレ底上げの背景にハイテク拡大」
前回は、「マネーストック増加と資源武器利用の横行」と題して、自由民主主義指数と法の支配指数(世界全体 人口加重平均)について、述べました。

今回は、「インフレ底上げの背景にハイテク拡大」と題して、2010年ごろ以降のハイテク拡大とインフレ進行について、述べます。

前回述べた「秩序よりもビジネス」がもたらす、資源武器利用の横行とマネーストック増加は、どのような背景で起きているのでしょうか。法の支配指数や自由民主主義指数、あるいは米ドルのマネーストックの動きを勘案すると、2010年ごろから継続して拡大している、社会的な大きな変化が挙げられます。

以下の図は、2010年以降のハイテク拡大とインフレ進行を示しています。SNS、AI、ドローンといった新しい技術は、2010年ごろから、世界的に普及し始めました。(日本でiPhone4が発売になったタイミングが2010年でした)

こうした新しい技術は、世界中にさまざまなメリットをもたらしました。しかし一方で、「光あるところに影あり」の言葉のとおり、これらの新しい技術は世界中にさまざまなマイナス面をもたらしました。

SNSやAIによって、世界中でかく乱・浸透・分断などの情報工作が横行したり、乱立するはずがない真実が乱立したり、情報の受け手の受容力が低下したりしています。こうした動きは、人気取りを意味するポピュリズムを増幅させています。

また、ドローンによって軍事的な作戦が大きく様変わりしました。自分の人的・物的被害やコストを最小限にし、相手に大きなダメージを与えることができるようになりました。こうした変化により、徹底的な衝突が起きにくくなり、それが戦争の終結を遅らせる原因にもなっています。

こうした新しい技術によってもたらされているポピュリズムや、法の支配の低下、民主主義後退、世界分断深化、自国優先台頭などの動きは「秩序よりビジネス」を優先させ、ひいては、マネーストック増加や資源武器利用横行を推し進める大きな原動力になっていると言えます。

2010年ごろ以降に世界的に普及したハイテクのマイナス面は、世界的なインフレの底上げ・上昇に深く関わっていると考えられます。実際の価格推移を確認すると、エネルギー、農産物、穀物、貴金属、いずれにおいても、底上げが起きています。

図:2010年ごろ以降のハイテク拡大とインフレ進行
図:2010年ごろ以降のハイテク拡大とインフレ進行
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。