【これからの見通し】生産者物価と原油相場、米物価動向に注目 きょうは、米生産者物価指数とともに米週間石油在庫統計が注目されそうだ。昨日のNY市場ではイラン核問題をめぐる報道で原油相場が激しく上下動した。トランプ米大統領は米国がイラン核合意から離脱すると発表し、地政学リスクが高まると同時に今後の原油供給への不透明感も台頭した。NY原油先物相場は一時急落したが、足元では再び70ドル台乗せと荒っぽい値動きを示している。今後のエネルギー価格動向に不透明感が広がっている。きょうは原油相場にとっての注目材料である米EIA週間石油在庫統計が発表される。 また、物価動向を示すものとして、きょうは米生産者物価指数(4月)が発表される。事前予想では、前月比が+0.2%、前年比が+2.8%といずれも前回からの伸びが鈍化する見込み。食品エネルギーを除くコア指数でも同傾向となることが見込まれている。素直な反応としてはドル売りが想定されよう。ただ、地政学リスクに関連した石油関連商品の価格動向が不安定になっていることもあって、売り反応は一時的か。 ドル相場は4月下旬以降は買いの流れが定着してきている。ユーロドルは1.18台、ポンドドルは1.35台、豪ドル/ドルは0.74台などでの推移。ドル指数は年初来高値水準を更新している。そのなかで、ドル円は110円を一時つけたあとは売買が交錯しており、109円台を中心とした一進一退。地政学リスクなどで株式相場がやや不安定になっていることもクロス円などでの円高圧力となっているもよう。 また、ポンド相場には注意したい。あすには英MPC会合の結果が発表されるが、今回は四半期インフレ報告公表やカーニー英中銀総裁会見などが予定されるスーパーサーズデーとなる。足元の英経済統計が弱いことから市場では今回の据え置きを想定する声が高い。けさ発表された4月英BRC既存店売上高は前年比マイナス4.2%の大幅な落ち込みを示していた。ただ、イベント前とあってこれまでのポンド売りポジションに調整が入る可能性もあり、ポンド相場は神経質になりそうだ。 その他の材料は、経済指標では南アSACCI景況感指数(4月)、米MBA住宅ローン申請指数(4日までの週)、カナダ住宅建設許可(3月)、米卸売在庫・確報値(3月)などが発表される。あす早朝にはニュージーランド中銀政策金利が発表される。米債券市場では、10年債入札(250億ドル)が実施される。ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演が予定されている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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