【これからの見通し】米英欧の金融政策の週はじまる、きょうは材料難 今週は米雇用統計を通過して、米英欧州の中央銀行が年内最後の金融政策を発表する。その他、主な経済統計発表は、米消費者物価指数、米小売売上高などが控えている。いずれも週央以降のイベント予定。本日は欧州、英国、米国などでの主要経済指標発表は乏しく、材料難となっている。 ただ、市場のムードはややリスク選好に傾いている。週明けの東京株式市場では日経平均は終値ベースでバブル後の最高値を更新した。アジア株も上海、香港など主要株価指数が上昇しており、為替市場にとっては緩やかな円売り圧力となりやすい状況。この後の海外市場でも欧州や米国株式市場をにらんだ展開となりそうだ。 そのなかで、個別通貨動向が注目されよう。先週末に何とか合意にこぎつけた英EU離脱交渉だが、ポンド相場は先週末からの安値圏での揉み合いとなっている。アイルランドとの国境問題について厳格な管理は回避されており、交渉の第一段階はクリアできた。ただ、実際の運用面についてはまだ具体策は練られていないようだ。また、市場には本題の通商交渉が交渉期限内にまとまるのか、不安の声も多い。また、週明けの東京朝方に発表された12月ライトムーブ住宅価格は前月比-2.6%、前年比+1.2%と弱い結果だった。ロンドン勢の反応はどうか。通常であれば、先週のイベントを通過して、さらに週後半の英MPC会合を前に調整が入りやすい週明けだがどうか。 米国では今回のFOMCでの利上げは織り込み済み。市場は来年の利下ペースについてのヒントを知りたがっている状況になっている。週央からは米消費者物価指数や小売売上高などの需要指標も発表される。ただ、足元では金融政策よりも税制改革法案の行方に関心が集まっているようだ。あすには米アラバマ州上院議員補欠選挙の投票が行われる。上院での共和党と民主党の議席は52対48と拮抗しており、あすの1議席の争奪戦の結果は今後の税制改革法案のスムーズな通過に与えるイメージは予想以上に大きくなる可能性がある。 NZドルは堅調だ。次期中銀総裁としてエイドリアン・オア氏が指名された。同氏はNZ中銀元副総裁とあって、市場はこれまでからと大きな政策変更はなさそうだとして安堵したもよう。きょう最も値動きの目立つ通貨として、このあとの海外市場でもボラタイルな動きには注意しておきたい。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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