4日からの週は、ドル買いが進行した。ドル円は112円近辺から113円台半ばへと上昇。ユーロドルは1.19台から1.17台へと下落。米国の政治動向に反応している。先週末には米上院本会議で税制改革法案が可決、ムードが好転しての週明けスタート。その後、6日の東京早朝にトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認定との報道に東京市場には緊張が走った。しかし、NY市場でのリスク回避の動きは限定的。週後半には、米債務上限引き上げ暫定法案が可決、トランプ大統領は来年1月の一般教書演説案でのインフラ整備計画を発表。米株は主要3指数が上昇するなど、政策期待がドル買いを誘った。米雇用統計が発表される週ではあったが、経済統計はやや影に隠れた形だった。また、この週は、英EU離脱交渉が一歩前進している。アイルランド国境問題についてようやく合意することができ、離脱条件交渉から次の通商交渉への窓が開かれた。ポンドは週前半の下落を戻して買いに転じている。米雇用統計はこの日発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想を上回ったものの、平均時給が予想を下回り前回分も下方修正されたことから賃金の伸びの鈍さも示されていた。ドルは売りの反応を見せたもののドル円は堅調な動きを続けた。 (4日) 東京市場は、早朝にドル買いが先行。週末に米上院本会議で税制改革法案が可決しており、これを好感してドル買いが進んだ。ドル円は前週末の112円近辺から一気に112円台後半へ。ただ、113円台には届かず、その後は東京市場で112円台後半の揉み合いに落ち着いた。ユーロドルは1.18台後半で弱もち合いだった。 ロンドン市場では、ポンド買いが強まった。メイ英首相とユンケル欧州委員長の昼食会を控えて、EU離脱交渉での進展が期待されている。ポンドドルは1.34台前半から1.35台乗せ。ポンド円は151円台後半から153円手前まで上昇。その他の通貨は比較的小動き。ドル円は一時113.07レベルに高値を伸ばし、ユーロドルは1.1836レベルまで下落。ただ、その後はドル買いは一服。 NY市場では、ドル買いが先行したが、その後は伸び悩んだ。週末の米上院での税制改革法案可決を受けて米債利回りが上昇、ダウ平均が最高値を更新しており、米経済の先行き期待が高まった。ただ、ドル円は113円台乗せでは売りが交錯。ナスダックが下げに転じ、ダウ平均も上げ幅を削るなかで、112.35近辺まで反落。ユーロドルは1.18台前半でサポートされた。ポンドはロンドン市場での上昇を消した。この日のEU離脱交渉ではアイルランド国境問題が壁となり、合意に至らなかった。 (5日) 東京市場で、ドル円はしっかり。一時112.60台までの買い戻し。ただ、上値追いは限定的だった。ユーロやポンドなども小動き。豪ドルは堅調。豪第3四半期小売売上高が予想を上回ったことが背景。豪中銀理事会では、予想通り政策金利を据え置いた。声明もこれまでと大きな変化はみられず。豪ドル円は86円台に乗せている。NZドルは豪中銀総裁代行がインフレ目標を柔軟にすると表明、買いを誘った。 ロンドン市場では、円高の動きが先行。前日の米国株の値動きを受けて、欧州株が軟調に取引された。ドル円は112円台前半、クロス円ではポンド円が150円台半ばへと下落。引き続き英EU離脱交渉が行われているが、アイルランド国境問題は未解決のまま。市場の関心は英欧経済統計からは離れている。ユーロ円は133円台前半に軟化したあとは133円台半ばに下げ渋り。対ポンドでのユーロ買いが下支えした。 NY市場は、ドル買いが優勢。米株はハイテク株が買い戻されている、市場に安心感が広がった。米税制改革法案が上院で通過し、上下両院協議会での協議に移ったこともドル買いに。予想下回る米経済指標には反応薄。ドル円は112.85近辺まで高値を伸ばした。ユーロドルは一時1.18ちょうど付近まで下落。 (6日) 東京市場は、中東情勢懸念でドル売りが広がった。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定、大使館を移転する方針を発表したことが背景。中東諸国からの反発が警戒されている。日経平均は大幅安。ドル円は112円台後半から112.10近辺まで下落。ユーロドルは1.18台前半から半ばへと上昇。 ロンドン市場では、連日のポンドル売り先行。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定と表明したことが尾を引いて、市場はリスク警戒ムードに。英EU離脱交渉ではアイルランド国境の扱いが定まらず合意はまだ。ポンドドルは1.34台前半から1.33台半ばへと下落。対円、対ユーロなど幅広く売られた。ユーロ円は132円台で下に往って来い。ドル円は一時112円割れ。欧州株や米株先物は売り先行。 NY市場は、ドル買いが優勢。米株が落ち着いた動きを見せていることが安心感を広げた格好。イスラエル関連のトランプ大統領発言には反応薄だった。ADP雇用者数の伸びは予想通りの結果。第3四半期の米労働生産性は予想を下回った。米税制改革法案や債務上限引き上げなどへの期待があった。ドル円は112円台を維持。ユーロドルは1.17台後半に下押し。ポンドドルは底ばい。直近の雇用統計が強かったものの、カナダ中銀がこれまでの慎重姿勢を維持したことで、カナダドル売りが強まった。 (7日) 東京市場は、ドル円がしっかり。日経平均が300円超の大幅高となり、リスク選好ムードが広がった。ドル円は112円台前半から半ばへと水準を上げている。アジア株では香港株も堅調。前日NY市場で大幅下落となったカナダドルは、東京市場でも軟調。ドルカナダは1.28台を再びつけた。豪ドルは貿易黒字が予想を大幅に下回り、売りを誘った。 ロンドン市場は、ドル円が112円台後半に上昇。欧州株が堅調に推移しており、リスク警戒感は後退。ユーロ円も133円手前へと上昇。一方、豪ドルとNZドルは軟調。アジア株で上海株が軟調だったことが影響したもよう。豪ドルには低調な豪貿易統計が、NZドルにはフォンテラの牛乳価格買取見通し引き下げが重石。ポンドが波乱相場。英EU離脱交渉に進展がみられないことで神経質に上下動。ポンドドルは1.33台から1.34台で荒い値動きだった。 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は113円台を回復。年末に向けてファンド勢などのドルショートの巻き戻しが観測された。米株も堅調に推移しており、米税制改革法案など政策期待も後押し。トランプ大統領は来年1月の一般教書演説案でのインフラ整備計画を発表するとした。ユーロドルは1.17台後半へと軟化。ポンドは堅調。EU離脱交渉が急速に進展しており、数時間内に国境問題などで合意する可能性と伝わった。 (8日) 東京市場は、午前を中心にドル買いの動き。ドル円は前日NY市場からの113円台を維持し、高値を113.39レベルまで上昇。その後は米雇用統計待ちで揉み合い。アジア株が軒並み堅調、日経平均の上げ幅も300円超となった。米国の暫定予算が上下両院で延長が可決され、リスク要因が先送りされた。 ロンドン市場は、円安・ドル高が先行。欧州株が堅調に推移。ドル円は113.59レベルに高値を更新。クロス円も総じて堅調。また、ユーロドルが1.1750割れ水準に下押しと、ドル高圧力もみられた。ロンドン早朝にメイ英首相とユンケル欧州委員長などがEU離脱交渉に臨み、アイルランド国境問題を含めた初期段階の合意に達した。ただ、ポンド買いの反応は一時的。その後は売り戻しが強まっている。 NY市場は、この日発表になった11月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)は22.8万人増と予想を上回ったものの、市場が関心を傾けている平均時給は前年比2.5%と予想を下回る内容となった。前回分も下方修正されている。発表直後は売買交錯となったが、年末に向けたドルショートのポジション調整が進んだのか、平均時給の結果をもとに次第にドルは戻り売りが優勢となった。しかし、市場が落ち着いてくると、米株が好調だったこともあり次第にドルは買戻されていた。ドル円は米雇用統計後に売りが優勢となり、113円台半ばから113.15付近まで値を落とした。ただ、米株式市場の堅調な推移がサポートし下げを取り戻す展開。113.50水準から上の抵抗は強かったが、下値も底堅い印象。
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