●グローバル市場 グローバル市場は10月も上昇が続き、力強いパフォーマンスを上げ、月間での上昇を12ヵ月連続に伸ばしました。グローバル市場が月間で下落したのは、1.99%下落した2016年10月が最後となっています(トランプ大統領は就任以降、グローバル市場の下落を目にしていません)。10月は先進国、新興国ともに同様のパフォーマンスとなり、米国市場がグローバル総合指数を若干上回りました(米国市場はグローバル市場の50.48%を構成)。 グローバル市場は10月に1.97%上昇し、上昇率は9月から変わらなかったものの、8月の0.17%上昇(過去1年間でグローバル市場が下落に最も近づいた月)からは拡大しました。48の市場のうち30の市場で騰落率はプラスとなり、9月の31市場を下回りました(8月は30市場)。米国市場は9月と同様に2.07%上昇した一方、米国を除くグローバル市場は1.87%上昇しました。 過去3ヵ月間では、グローバル市場が4.15%上昇、米国市場が4.36%上昇、米国を除くグローバル市場が3.93%上昇となっています。ただし、年初来では、グローバル市場が17.82%上昇した一方、米国市場は14.67%の上昇にとどまり、米国を除くグローバル市場は21.22%上昇と、3ヵ月以前の米国市場の出遅れが明確になっています。2016年11月8日の米大統領選以降では(間もなく就任1周年)、米国を除くグローバル市場が21.66%上昇と、米国市場の20.93%上昇を若干アウトパフォームしています。 パフォーマンスの違いは小さいものの、大統領選から2016年年末にかけては米国市場がアウトパフォームし、グローバル市場の上昇分の89%を占めた一方、年初来での米国市場の寄与は41%まで縮小しています(大統領選以降ではグローバル市場の上昇分の47%に寄与)。長期的にみると、過去3年間ではグローバル市場が19.57%上昇した一方、米国市場は27.12%上昇し、米国市場を除くグローバル市場は12.19%上昇と、米国市場がなお上昇分の多くを占めています。 グローバル総合指数のセクターのパフォーマンスをみると、引き続きリターンには大きなばらつきが見られたものの、11セクター中9セクターで騰落率がプラスとなり、9月の7セクター、8月の6セクターを上回りました。 電気通信サービスセクターが2.70%下落で騰落率最下位となりましたが、同セクターは年初来では0.48%上昇と、プラス圏を維持しています。ヘルスケアセクターも0.88%下落しましたが、年初来では17.49%上昇しています。 エネルギーセクターは(原油価格の上昇が小幅にとどまる中でも)9月に8.08%反発した後、10月も0.69%上昇しましたが、年初来では2.43%の下落(年初来で下落している唯一のセクター)と、騰落率最下位にとどまっています。 生活必需品セクターは、10月は0.15%と小幅に上昇し、年初来では10.04%の上昇、また、一般消費財セクターは、10月は1.72%上昇し、年初来では16.88%の上昇となっています。情報技術セクターは上昇基調を維持し、6.78%上昇で騰落率トップとなりました。同セクターは年初来では38.23%、過去3年間では59.62%上昇しています(全セクターで最高)。金融セクターは金利上昇に伴い1.40%上昇しましたが、年初来では15.96%上昇と、なお平均を下回っています。 ●新興国市場 新興国市場は引き続き変動が大きかったものの、9月の0.73%の下落の後(8月は2.78%上昇)、10月は2.53%上昇し、先進国市場をアウトパフォームしました。23の市場のうち15市場で騰落率がプラスとなり、9月の11市場から増加しましたが、8月の17市場は下回りました。新興国市場は過去3ヵ月間では4.62%、年初来では27.19%、過去1年間でも21.19%上昇しています。また、以前の下落から回復が進む中、過去2年間では30.92%、過去3年間でも9.37%上昇しています。 国別では、インドが7.31%上昇で騰落率トップとなり、年初来でも37.23%上昇しました。騰落率2位は5.46%上昇したペルーで、同市場は年初来では30.01%上昇しています。3位は5.45%上昇した台湾で、年初来では26.50%の上昇となっています。 一方、コロンビアが8.46%下落で騰落率最下位となりました。年初来では依然として3.10%上昇していますが、過去3年間では39.25%下落しています。メキシコは、10月は7.92%の下落、年初来では14.25%の上昇となり、ブラジルは、10月は3.42%の下落、年初来では21.90%の上昇となりました。 注目すべき点として、ロシアは1.32%下落しましたが、年初来では0.67%上昇とプラス圏を維持し、過去3年間でも2.98%上昇しています。 ●先進国市場 先進国市場も堅調でしたが、新興国市場ほどの力強さはなく、9月の2.29%の大幅上昇の後(8月は0.13%下落)、10月は1.90%の上昇(米国を除くと1.69%の上昇)となりました。10月は25の市場のうち15市場で騰落率がプラスとなり、9月の20市場から減少しましたが、8月の13市場を上回りました。先進国市場全体は、過去3ヵ月間では4.10%(米国を除くと3.76%)、年初来では16.85%(同19.76%)、昨年の米大統領選以降では21.24%(同21.57%)上昇しています。 韓国は北朝鮮との緊張が続いたにもかかわらず8.25%上昇し、騰落率トップとなりました。同市場は年初来では37.81%上昇しています。騰落率2位は4.78%上昇(年初来では23.35%上昇)したシンガポールで、3位は4.35%上昇(同18.72%上昇)した日本でした。 ニュージーランドが2.94%下落で騰落率最下位となり、過去3ヵ月でも5.09%下落していますが、年初来では12.14%上昇しています。騰落率ワースト2位は2.14%下落(同18.27%上昇)したフィンランドで、3位は1.59%下落(同16.75%上昇)したスイスでした。 注目すべき点として、スペインはカタルーニャ州の独立問題が続く中で0.32%下落しましたが、年初来ではなお24.54%上昇しています。また、英国はブレグジットに向けた交渉が続けられる中で0.64%上昇し(同13.91%上昇)、ドイツも1.51%上昇(同26.30%上昇)しました。 [執筆者] ハワード・シルバーブラット S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス シニア・インデックス・アナリスト ※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。 [免責事項] 著作権(C) 2017年 S&Pグローバルの一部門であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC。不許複製、Standard & Poor's、S&P、S&P500、は、S&Pの一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。LATIXX、MEXICO TITANS及びSPCIは、S&Pグローバル一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の商標です。「ダウ・ジョーンズ」は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。商標は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCにライセンス供与されています。本資料の全体または一部の再配布、複製、そして(または)複写を書面による承諾なしに行うことを禁じます。 株探ニュース
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