ドル円は112.65近辺まで値を落としている。この日の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)は予想外の減少となった。ただ、失業率が低下したことや、特に平均時給が予想を上回る高い伸びを示したことで、米国債利回りと伴にドルは買いが強まり、ドル円は113円台を回復した。一時113.40近辺まで上昇。 NFPについてはハリケーンの影響が予想されたことから、今回はノイズと受け止められており、労働市場の基調を示すものではないと見られている。一方、ハリケーンの影響が出にくいと思われていた平均時給が大幅に上昇したことは心強い内容であっただろう。失業率も、労働参加率が上昇した中での下げは大きい。 全体的にはポジティブな内容との受け止めが主流で、CMEがFF金利先物から算出しているFEDウォッチでは12月FOMCでの利上げ確率を90%超まで高めている。 ただ、これまでドルはだいぶ買われていたことから、ポジティブな米雇用統計をきっかけに利益確定売りも出ているようだ。 その後、ドル円は売りが強まり112円台に再び下落。ストップを巻き込んで一時112.65付近まで急速に下げており、完全に失速している格好。 ただ、ドル売りも然ることながら、円買い圧力も加わっているようだ。北朝鮮が週末にミサイル実験を再び実施するのではとの憶測が流れている。ロシアのモロゾフ下院議員の発言がきっかけとなっているようだ。同議員は「北朝鮮は新たな長距離ミサイルの実験を準備しており、米西海岸を攻撃することが可能だとの数学的な計算すら示した」という。同議員は今週、北朝鮮を訪問している。 10月10日は北朝鮮の朝鮮労働党の創建記念日であり、かつ、日本では総選挙の公示日でもある。ミサイルの実験のタイミングとしては、今週末は要警戒なのかもしれない。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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