ドル買い優勢 ただ、明日の米雇用統計控え方向感までは出ず=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場は、この日発表になった米経済指標が好調だったことや、米株、米国債利回りとも上昇していることからドル買いが優勢となっている。この日のサンフランシスコ連銀総裁やフィラデルフィア連銀総裁の発言もフォローとなっている模様。ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は利上げに関して、「インフレ指標が上向くのを確認する必要はない」とも述べていた。

 ドル円はロンドン時間に売りが優勢となり、112円台後半から112.40近辺まで値を落としていた。ただ、NY時間に入ると買戻しが優勢で112円台後半に戻している。

 ロンドン時間の下げについては、ドル売りというよりもむしろ、円買いの動きが圧迫していたようだ。この日はユーロが下落しているほか、政治不安からポンドも売られており、ユーロ円やポンド円の下げがドル円を圧迫していたものと思われる。

 ただ、全体的には明日の米雇用統計待ちといった雰囲気で方向感を強める動きまでは見られていない。112.50水準を下回ると押し目買いが入り、113円に接近すると上値抵抗が強くなる展開に変わりはない。

 一方、ユーロは下値模索が続いており、ユーロドルは1.17割れを試す動きとなっているほか、ユーロ円も131円台に下落している。この日のECB議事録を受けて、今月26日の理事会で打ち出されると見られている出口戦略が、予想以上に緩やかなものになるとの見方が強まっている。

 ECBは9月の理事会で、インフレがECBの目標である2%弱を大きく下回っていることから、資産購入のペース縮小を「かなり緩やかで慎重な方法で進めるべき」との意見が大半を占めていたことが明らかとなった。具体策までは公表されていなかったが、9月の理事会で、期限延長と減額幅について、いくつかのシナリオを協議したようだ。

 ユーロドルは一時1.1705付近まで下落。一昨日に1.16台に下落した際には直ぐに反転していたことから買い圧力もあるものと思われるがもし、1.17をブレイクした場合には、8月17日の安値が1.1660付近にあり、目先のサポートとして意識される。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美
 

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