【これからの見通し】北朝鮮、欧州政治情勢、米株に調整など円高材料多い 足元の相場は調整ムードが広がっている。北朝鮮外相が米国の行動について宣戦布告に等しいとの認識を示し、緊張感が高まっている。週末のドイツやフランスの選挙結果では与党勢力の弱体化が示されており、ドイツでは連立交渉の難航が予想されるほか、極右政党が第3位に躍進。10月1日のスペイン・カタルニャ州での独立を問う国民投票の動きなどへも追い風となる可能性がでてきている。先週まで5日連続最高値更新となっていたダウ平均は今週に入って調整色を強めている。また、市場では9月末の四半期末を控えてポジションの組み換えが起こりやすくなっており、調整圧力が働きやすいとの見方もあるようだ。 以上の諸点は、いずれもリスク回避的な円買いにつながりやすい材料とみられる。まずは、売り圧力が強まってきているユーロ相場の動向をにらみながら、ドル円やクロス円の下押しに注意したいところだ。 きょうは米国関連のイベントが多い。発言ではイエレンFRB議長が全米企業エコノミスト協会で講演を行う。インフレや金融政策などがテーマとなっており、市場の注目度は高い。今回は質疑応答もある予定。メスター・クリーブランド連銀総裁、ブレイナードFRB理事、ボスティック・アトランタ連銀総裁など一連の米金融当局者らの講演が相次ぐ。 経済指標では、S&Pケースシラー住宅価格(7月)、新築住宅販売件数(8月)、コンファレンスボード消費者信頼感指数(9月)などの米経済指標が発表される。また、米2年債入札(260億ドル)、ナイキの決算発表などが予定されている。 それに先立つ欧州・ロンドン市場では、リーカネン・フィンランド中銀総裁、プラートECB理事などの講演が予定されている。メイ英首相がトゥスクEU大統領と会談をおこなう。 ドル円の111円台半ばは一目均衡表の雲上限付近に位置している。また、ユーロドルの1.18台前半は9月以降のサポート水準となっている。いずれかを割り込むようだと、ドル円やユーロ円の売り圧力が強まる可能性を指摘しておきたい。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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