【これからの見通し】北朝鮮リスクのテーマ性は一服、米経済統計に関心 昨日のNY市場では米国株もドル円相場も下げから上げへと方向転換した。北朝鮮のミサイル発射が東京市場で波紋を広げたあと、ロンドン市場ではユーロ相場に動意が移った。NY市場ではトランプ大統領が北朝鮮に対して比較的冷静な論調を保っており、これまでのような感情的な言動はみられなかった。また、米消費者信頼感指数の上振れが好感された面も加わり、米株が上昇に転じるとドル円も109円台乗せから110円台手前まで上伸した。きょうの東京市場でも日経平均が三桁の上昇、ドル円は109円台後半の高値圏を維持するなかで一時110円台に乗せた。ドル円の値位置だけをみると、週明けの北朝鮮ミサイルをうけた円高の動きは解消される格好となっている。 北朝鮮問題に関しては、今後もリスク材料となろう。追加制裁をめぐる中国やロシアの態度がポイントとなりそうだ。また、9月9日の北朝鮮建国記念日や9月11日の米国の同時多発テロなどがXデーとして警戒される面があるようだ。ただ、ドル円、クロス円動向からはリスク警戒感は一服した状況となっている。 きょうは米国関連のイベントが多い。MBA住宅ローン申請指数(25日までの週)、ADP雇用者数(8月)や実質GDP・改定値(第2四半期)とその関連指標、週間原油在庫統計などの発表や、パウエルFRB理事の講演などが予定されている。GDPへの関心が高いとみられるが、足元で発生したハリケーンが米経済に与える影響も警戒されており、第2四半期データの好調さを素直には受け止めにくい面がありそうだ。 その他には、ユーロ圏業況判断指数(8月)、ユーロ圏業況判断指数(8月)、ドイツ消費者物価指数・速報値(8月)、カナダ経常収支(第2半期)などが発表される。メイ英首相が1日まで訪日する。本邦企業にEU離脱後の英国経済への安心感を植え付けられるかどうか。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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