先ほどからドル円が買い戻されており、109.30近辺まで急速に戻している。一部報道でバノン米首席戦略官が解任されるのはとの憶測がドル円の買い戻しを誘っているようだ。ただ、ドル円はNY時間に入って売りが加速、一時108.60近辺まで下落し、今月の安値を更新した。ドル売りというよりも円高の動きがドル円を圧迫していたようだ。 市場はトランプ政権への不信感を強めており、先週末のバージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派との衝突に対する発言が波紋を広げており、企業のCEOもそれに反対を表明している。各企業のCEOと設立していた経済諮問委員会も解散を余儀なくされている状況。 オバマケア廃案と代替案を成立させることができず、トランプ政権が掲げる経済政策の実行力に市場からも懐疑的な見方が広がっている。今後、税制改革やインフラ整備など市場が期待している本丸の経済政策の法案を成立させて行かなければならない中、またしてもトランプ大統領の雑音が市場の不透明感を強めているようだ。 今月に入って発表になっている米経済指標は、消費者物価(CPI)こそ強い内容ではなかったものの、米雇用統計や小売売上高などは堅調な米経済を示す内容で、ドル売り自体には一服感も出てきている。 バノン氏解任の憶測で、ドル円も買い戻されているが、月末にかけての北朝鮮リスクもあることから、積極的に買い戻しを入れづらい雰囲気も一方でありそうだ。 USD/JPY 109.31 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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