朝方の米消費者物価(CPI)や小売売上高を受けて、ドル売りが強まり、ユーロドルは買いが強まっている。1.14台前半から1.1460近辺に上昇。その後、戻り売りも出て伸び悩む動きも見られるものの、いまのところは1.14台半ばの水準は維持している。 以前ほどはユーロ買いの勢いも無くなった印象もあり、ポンドや円といった対クロスでは売りが優勢となっているものの、ECBの出口戦略への期待から底堅さは堅持している。 目先は来週のECB理事会が最注目となる。前回同様に出口戦略に向けたアナウンスが出るものと予想されている。先月のECB理事会では景気の下振れリスクの文言は削除したものの、「必要なら債券購入プログラムの拡大延長を行う」という文言は温存されていた。今回はこの部分が削除されるとの見方が有力だが、市場の過剰期待をけん制するために、温存されるとの見方も一部では根強い。 先月27日のポルトガルのシントラで開かれた年次のECBフォーラムでドラギ総裁が「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さが増し、裾野が広がっていることを指し示している。 デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」と発言し、それに対して市場が敏感に反応。欧州債利回りが急上昇し、ユーロも急上昇した。ECBも急激な市場の動きに警戒感を持っているものと見られる。 来週の理事会では、9月か10月に量的緩和の拡大ペース縮小計画を発表する可能性は示唆するものの、慎重姿勢も強く打ち出す可能性もありそうだ。 その場合のユーロの反応は非常に未知数。 EUR/USD 1.1454 EUR/JPY 129.02 EUR/GBP 0.8757 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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